成長支援(人財育成・キャリア形成)
当社グループでは、従業員一人ひとりの個性や強みが発揮される企業への変革を目指し、学びの機会の提供やキャリアアップの支援など、一人ひとりの成長を支援する各種研修制度を整えています。
人財育成
㈱ワコールは人財育成体系「WACOAL TERAKOYA」の運用を開始以来、継続的なアップデートを行ってきました。昨今の消費行動やニーズの急激な変化を受け、新たなビジネス環境に対応可能な人財の育成に向け、教育・研修体系の抜本的見直しを実施しました。新体系では、階層別研修を画一的な内容から脱却し、個々の成長段階に応じた選択型プログラムへと再設計しました。さらに、組織の専門性強化を目的とする「部門別マスタリープログラム」を新設し、個の成長が組織成果に直結する仕組みを強化しております。また、異業種との学びや交流を促す、手上げ型の外部プログラムへの参加機会を拡充し、多様な視点を取り入れ革新性の高い人財育成を図っています。加えて、外部との接点を通じた視座の拡張を目的に、短期ビジネススクールへの派遣も開始しました。選抜された社員が経営・戦略・マーケティング等の先進的な知見を習得し、帰任後にその学びを組織内で還元する仕組みを整備しています。これらの取り組みにより、経営理念の実践と新たな価値創造を担う人財の育成を通じて、ワコールの持続的成長の実現を目指します。
販売職の人財育成
販売職の育成においては、より多様化するお客さまのニーズに応え、ご満足いただくために「顧客対応力(実学)」と「人間力(道学)」の両面の向上に取り組んでいます。具体的には、2022年4月より㈱グロービスの「GLOPLA LMS (Learning Management System)」という自律的な学びのプラットフォームを活用し、成長機会の提供、キャリアアップ意欲の醸成につなげています。2014年からタブレット端末を活用した人財育成にも取り組み、商品情報や販売促進に関するデータの共有からスタートしました。2020年以降はリモートでの研修やミーティングの機会が増え、事業所から離れたメンバーにもリアルタイムで情報共有ができる環境を整えています。2025年4月から、半月に1回、朝の1時間を活用し、接客販売に関する塾をオンラインで開講しました。毎回100名程度が参加し、お客さまへの接客販売スキルの向上や新たにスタートした取り置き・取り寄せサービスの拡大にも取り組んでいます。加えて、コーチングスキルに特化した研修もスタートし、2025年3月期には販売職の所属部門長と販売職の役割任用者152名が受講し、「働く仲間、一人ひとりがお客様を想って自律的に考え行動していくことを尊重できる組織風土づくり」にも取り組んでいます。コミュニケーションのあり方を変え、社員が成長することで会社が成長することを目指しています。
人財育成体系:WACOAL TERAKOYA
2019年4月より運用を開始した人財育成体系「WACOAL TERAKOYA」について、ブラッシュアップを行いました。新型コロナウイルス感染症を経て急速に変化したお客さまの購買行動、ニーズに対応するためにも、教育・研修体系を見直し、これからのビジネス環境に適応した人財の育成につなげていきます。新たな育成体系では、階層別研修においても一律のメニューではなく個々の成長に合わせた選択を可能にしています。また、組織の専門性の強化を目的とした「部門別マスタリー研修」を導入し、個の成長、能力発揮が組織の成果として結実するための施策を強化します。さらには、異業種との学び、交流の場に手挙げ制で参加できる機会を増やすことで、主体性や多様性を醸成するとともに、社内では得られない知見、より幅広い視野を持った人財を育成し、革新性の向上につなげます。これらにより、経営理念を実践し、新たな価値を創造できる人財の育成を通じてワコールの持続的な成長を実現していきます。
人財育成プログラムの例
(内勤社員実績)
| プログラム名 | 実施目的 | 一人当たりの研修時間 | 年間参加人数(人) | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 24/3期 | 25/3期 | ||||
| 階層別研修 | 役割・資格の変化に伴う、期待役割の認識及びマインドセットを目的に実施します。同時に会社の方向性と自身のキャリアビジョンを考える機会とします。 | 1~6日間 (研修による) |
252 | 349 | |
| ビジネススキル | ビジネスマンとして求められる必須スキルを、社内のみならず社外人財との交流を通して学ぶことで、社内外で通用する普遍的なビジネススキルを体得できます。 | 7.5時間 | 38 | 35 | |
| 部門別マスタリープログラム | ワコールにおける社内ナレッジの共有、知識伝承、組織開発等を目的に社内外の講師による研修・セミナーを開催します。 | 7時間〜 | 881 | 1,390 | |
| セルフラーニング | Eラーニングを活用した「いつでも、どこでも」学べるコンテンツ提供と主体的な能力開発・自己研鑽を支援する制度があります。 | 自己啓発援助制度 | - | 30 | 38 |
| 通信教育・Eラーニング | - | 741 | 470 | ||
(販売職実績)
| プログラム名 | 実施目的 | 一人当たりの研修時間 | 年間参加人数(人) | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 24/3期 | 25/3期 | ||||
| 昇格時研修 | 各等級への期待値や役割行動を理解すると同時に、経営理念の浸透を図り、必要なマインドやスキルを習得することで、組織全体のパフォーマンス向上と円滑なチーム運営につなげます。また、昇格を機会に自身のキャリアについて考える機会としています。 | 6時間〜 | 149 | 75 | |
| 役割任命時研修 | 役割任用者(スーパーバイザーや店長等)としての店舗管理、人財育成に関する責任を理解し、人財育成に関わるマインドセットを行い、効率的な業務志向と組織目標の達成を支援します。 | 6時間〜 | 47 | 78 | |
| シーズンビジネストレーニング | 販売チャネルごとのシーズン戦略や商品知識の理解、接客シミュレーションを通して接客手法を学び、LTVの最大化を目指します。 | 6時間〜 | 1,292 | 830 | |
| スタンダードトレーニング | 接客の基本を身に付けた中堅クラスのスタッフを対象とし、ブランドイメージを体現する接客(会話力、提案力)を習得し、更なる顧客満足度向上と売上拡大を目指します。 | 6時間〜 | 574 | 250 | |
キャリア形成
㈱ワコールでは、従業員が自らのキャリアを主体的かつ前向きに切り拓いていくことを目的にした、キャリア形成に伴う多様な制度・仕組みを拡充し、キャリア自律を促進することによって働きがいの向上と組織の活性化を目指す「Meet My Careerプログラム」を導入しております。このプログラムでは、従来型の自己申告やキャリア面談、研修・自己啓発、異動に加えて、「社内公募制度」や、自ら異動先を希望できる「社内ジョブチャレンジ制度」、グループ外の企業や団体への出向によって社内では得られない経験を可能にする「社外キャリア留学」、所属部門に籍を置いたまま他部門の業務を体験できる「社内インターン制度」、長期休職制度、副業支援など、従業員が主体的にキャリア・可能性を切り拓くための選択肢を体系的に示すことで、従業員に対して多様な働き方の能動的な実践を促し、同時に今までと異なるスキルを身につけ、磨く機会を供し、個々人の多様なキャリアの実現を促進することを目指しています。「社内公募制度」についてはグループ会社も対象とする事によってキャリアの選択肢をより広げるとともに、従業員と組織の双方が積極的にキャリア開発や人財獲得に取り組める仕組みを取り入れています。
さらに、従業員一人ひとりのキャリアをより丁寧に支援するため、社内外のキャリアコンサルタントによるキャリア面談を段階的に実施しており、従業員の内省と将来設計を促進する機会を提供しています。また、若年層向けに、早期段階から自律的なキャリア形成を意識づける「キャリアデザイン研修」を実施しており、自らの強みや志向性を見出し、将来的なキャリアビジョンを描く力の醸成を図っています。
販売職においては、50歳を迎える社員を対象に「キャリア研修」を実施しており、2025年3月期は25名が参加し、リタイアメントライフデザインについて学び、定年に向けた準備を考える機会を提供しています。また、2021年4月から販売職の中の一つの役割として、国家資格キャリアコンサルタントを保有するメンバーが担う「キャリアコーディネーター」という役割を設けて、キャリア面談にも積極的に取り組んでいます。2025年3月期では120件の面談を実施し、ビューティーアドバイザー一人ひとりと一緒にキャリアを考える機会を提供しています。
今後も、従業員が自発的にキャリアを広げる機会を提供し続け、多様な人財の育成に取り組んでまいります。
| プログラム名 | 実施目的 | 人数(人) | ||
|---|---|---|---|---|
| 23/3期 | 24/3期 | 25/3期 | ||
| ジョブチャレンジ制度 社内公募制度 |
自律型人財形成の一環として 「ジョブチャレンジ」自らの意思と意欲を前提に自己異動希望を示す者に、ジョブローテーションの機会を支援し、組織全体の活性化につなげる。 「社内公募」組織自らが求める人財を得ることで部門の強化を図り、社内組織全体を活性化につなげる。 |
18 | 25 | 11 |
| 社外キャリア留学 | 変化の激しい時代において、社外での就業経験を通して多様な視点や価値観を取り入れ、知識のアップデート、リスキルを行うことで、適応力やレジリエンスを高めることにつなげる。 | 38 | 42 | 31 |
| 副業制度 |
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38 | 30 | 29 |
| 長期休暇制度 | 「自己啓発・自己開発を目的とした場合」と「配偶者が転勤、または遠隔地に居住する者と婚姻した後」において、一定期間の休職を認めることにより、就業継続を支援する。 | 5 | 10 | 11 |







