中期経営計画(リバイズ)

当社グループは、2023年3月期の実績が大幅な計画未達となったことを受け、中期経営計画の見直し(以下、中計リバイズ)を行い、2023年11月に公表しました。中計リバイズでは「収益力の改善に向けたビジネスモデル改革」「「VISION2030」達成に向けた成長戦略」「ROICマネジメントの導入」「アセットライト化の推進」を実行し、サプライチェーンマネジメントの再構築や管理基盤の強化を進め、収益力や資本効率の改善と戦略の実効性の向上を図っていきます。また、従業員の挑戦と成長を後押しすることで、お客さまの“自分らしさ”に貢献できる商品やサービスを継続的に提供できるワコールグループへの進化を目指します。

中期経営計画(リバイズ)の基本方針

「VISION2030」の達成確度の向上に向けて、キャッシュを着実に創出できる体質への転換をおこないます

中期経営計画(リバイズ)の重点戦略

収益力や資本効率の改善と向上に努め、持続的な企業価値の向上に向けて必要な成長投資とステークホルダーの皆さまへの還元を継続できる企業へと進化します

現状の認識
想定以上の外部環境の変化の速さに、自社のサプライチェーンマネジメントの弱みが顕在化
  • 顧客ニーズの多様化に伴い、これまでの広告宣伝・商品企画・生産体制等が市場変化に対応できず、収益性悪化と過剰な在庫を引き起こしていると認識(特に既存の商品企画/開発リードタイム(LT)では商品展開まで1年以上の期間を要しており、改善が急務)
  • 機能別組織の弊害として各種の調整業務や損益管理の煩雑化等が迅速な意思決定を阻害している
  • 経営戦略に対する責任の所在が明確でなく、戦略の実効性が高まっていない。また、HDの事業会社に対する監督機能にも不十分な点があり、改善が必要
環境認識
機会
  • 「自分らしさ」に対するニーズの多様化
  • 健康や快適に対する欲求の高まり
  • サステナビリティ意識の社会的浸透
  • 大きな成長余地を有する市場の開拓
リスク
  • 外部環境の変化に伴う調達コストの上昇
  • 人口減などによる国内需要の減少
  • イノベーションの遅れによる競争力の低下
  • 企業魅力度の低下・深刻な人材不足
ワコールグループの強み
パーソナライズなからだとこころの「データベース」
様々な体型/ライフステージにおけるからだの研究/知見
お客さま一人ひとりに合う商品の製造技術
個々のニーズに寄り添いサービスを具現化する組織力
基本方針
収益力や資本効率の改善と向上に努め、持続的な企業価値の向上に向けて必要な成長投資とステークホルダーの皆さまへの還元を継続できる企業へと変化
1.収益力の改善に向けたビジネスモデル改革
ビジネスモデル改革(サプライチェーンマネジメント改革、コスト構造改革)を実行し、基礎収益力を回復
2.「VISION2030」達成に向けた成長戦略
デジタルの力と自社の強みを活用したブランド戦略と顧客戦略を遂行し、次の成長へつなげる
3.ROICマネジメント導入
収益力や戦略の実効性を高めるための施策を支える経営管理基盤として、ROICマネジメントを導入
4.アセットライト化の推進
棚卸資産(在庫)の圧縮や、政策保有株式の縮減、保有不動産の整理を進め、資本効率を改善
財務戦略
  1. ビジネスモデル改革と成長戦略を通じた収益力の改善を最優先課題として取り組むと同時に、棚卸資産(在庫)の圧縮や政策保有株式の縮減、保有不動産の整理を進めることで、資本効率を改善しROE向上を実現
  2. 将来成長への投資を優先すると同時に、資本効率の改善に向けて積極的な株主還元を実施

中期経営計画(リバイズ)の戦略

①ビジネスモデル改革
サプライチェーンマネジメント改革
顧客ニーズや市場環境の変化に迅速に対応できるように、(株)ワコールのサプライチェーンマネジメント(SCM)改革を実施
デジタルを活用して顧客起点で需要連動型のSCMを構築するとともに、選択と集中を徹底し、コスト構造を最適化
コスト構造改革
(株)ワコールの基礎収益力の回復を図るため、抜本的なコスト構造改革を実行
削減目標を70億円と設定
2026/3期までに、売上利益率を3pt~4pt、販管費を4pt~5pt改善する計画(対2023/3期比)
不採算事業の対処
それぞれの事業ごとに将来の在るべき姿を検証し、事業継続や売却・撤退などのアクションプランを決定
②成長戦略
(株)ワコール
顧客ニーズの多様化に合わせて、お客さま一人ひとりの「自分らしい美・快適・健康」に貢献
海外事業
不透明な事業環境下、まずは経営基盤の整備に取り組み、次期中期経営計画に向けた成長戦略を実行
③ROICマネジメント導入
資本効率性を高め、筋肉質な企業体質を実現するためにROICマネジメントを導入
ポートフォリオマネジメントに加え 、成果を的確に測定するパフォーマンスマネジメントの手段としても活用し、現場の改善活動と投資家をはじめとするステークホルダーが期待する収益力・資本効率の改善を定量的に結び付ける
④アセットライト化の推進
資産・資本効率の向上に向けて、企業価値向上に寄与しない資産については、売却することを基本方針とする
売却に際しては、事業成長に寄与する投資機会の探索を行うこととし、ROICの観点から投資すべき事業を判断
(検討・実施対象は、棚卸資産、政策保有株式、保有不動産)

中期経営計画(リバイズ)の定量目標

中計リバイズではビジネスモデル改革と成長戦略の実行により、顧客変化への対応力と収益力の強化を図りつつ、資本効率の改善に努めることで、最終年度となる2026年3月においてROE 7%水準ならびにPBR1倍超の達成を目指しています。
なお、資本効率性の改善を図り、筋肉質な企業体質を実現するために、当社グループではROICマネジメントの導入を決定しています。全社としての財務目標管理として活用するだけでなく、成果を的確に測定するパフォーマンスマネジメントの手段としても活用し、現場の改善活動と投資家をはじめとするステークホルダーが期待する収益力・資本効率の改善を定量的に結び付けてまいります。

財務戦略

財務方針

  1. ビジネスモデル改革と成長戦略を通じた収益力の改善を最優先課題として取り組むと同時に、棚卸資産(在庫)の圧縮や政策保有株式の縮減、保有不動産の整理を進めることで、資本効率の改善を実現しROE向上を実現
  2. 将来成長への投資を優先すると同時に、資本効率の改善に向けて積極的な株主還元を実施

配当方針

当社は、株主の皆さまへの利益配分について、収益力向上のための積極的な投資による企業価値の向上を図りながら、1株当たり当期純利益の増加を図るとともに、連結業績を考慮しつつ安定的な配当を実施させていただくことを基本方針としています

キャッシュ・フロー・アロケーション(2024年3月期~2026年3月期)

中計リバイズ期間においては、構造改革による収益力の向上に努めるとともに、棚卸資産の圧縮や政策保有株式の縮減、保有不動産の整理を進めていきます。また、それにより創出したキャッシュについては、成長投資を優先しつつ、資本効率の向上に向けて、積極的な株主還元を実施する方針です。事業戦略と財務戦略の両面でROEやROIC目標の達成に向けて取り組んでまいります。

「VISION2030」における中計リバイズの位置づけ

中計リバイズ期間は、「VISION2030」の達成に向けた改革期と位置付けており、計画に則った各施策を着実に実行することで、収益性と資本効率の改善を図る計画です。また、次期中期経営計画以降については、「萌芽期・成長期」と位置付けており、この中計リバイズで実施する改革の成果を刈り取るほか、次の成長に向けた投資を積極的に実施してまいります。中計リバイズの実施を通して、経営の実効性を高めることで、「VISION2030」目標への達成確度を向上させていきます。

PAGETOP