人的資本
基本的な考え方
基礎研究、商品の企画・開発から材料調達、生産、販売に至るまでのバリューチェーンについて、その大半をグループ内のリソースによって築いている当社グループにとっては、「人財」を資本と捉え、その価値の最大化を目指すことは、経営上の重要な取り組みとなります。当社グループの従業員が「やりがい・働きがい・生きがい」を感じながら働ける魅力ある企業風土を実現することで、社員一人ひとりが持つ能力を最大限に発揮し、生産性や競争力の向上といった組織の成果に結びつき、持続的な成長につながっていくものと考えています。
推進体制
各事業会社が各社の事業戦略に基づき人事戦略を展開していくうえでは、個社の人事部門が主体となって、人事課題に対する具体的な取り組み施策を立案、実行し、進捗状況のモニタリング、達成状況の評価検証というサイクルを回しています。一方、グループ全体の人的資本に関するガバナンスを有効に機能させるために、人権・DE&Iやコンプライアンスの観点を中心に、各社の取り組み、整備の状況について定期的にモニタリングを行い、状況に応じた指示や要請を行っています。
中核会社である(株)ワコールでは、社長を含む取締役が参加する「人財開発会議」を設置しており、人財戦略に関する方針の検討、策定、個別の人事課題の解決に向けた方向性の確認を行っています。
人財戦略
事業環境の不確実性がますます高まる中、ビジネスモデルの変革を早期に進めていくうえで、担い手となる人財に関する戦略の重要性は増すばかりです。とりわけ日本国内においては少子高齢化による労働力人口の減少が進み、これまで以上に人財獲得競争が激化することは確実であり、魅力ある企業であるための人財戦略を策定、実行していく必要があります。当社においては、果断な構造改革と成長戦略の策定・実行を並行して、またスピードを上げて進めていくためにも、従業員個人のさらなる成長に資する施策に加え、個の力を組織の力に結びつけるための環境や風土への変革を併せて進めていきます。
(株)ワコールにおいては、収益性の早期改善のための施策と並行して、人財の獲得、人財のリテンションの両面で、中長期的に選ばれ続ける会社であるために、①人財開発(キャリア自律の支援・成長機会の提供)、②組織開発(チーム力の最大化のためのマネジメント力強化)、③風土醸成(働きがいを支える制度・仕組み、DE&I、Well-beingの実現)の3つの軸で取り組みを進めています。また従業員の60%超を占めるビューティーアドバイザー職(販売職)については、個別の人事課題の解決のために、独自の取り組みも行っています。
人的資本戦略(対象:㈱ワコール)
基本方針 | キャリア自律の更なる促進と働きがいが実感できる風土を醸成し、社員一人ひとりの個性・強みが発揮される”社員総活躍企業”を目指す |
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求める人物像 | “自律革新型人財” 経営理念を尊重し、具現化できる人財 既成概念や現状の枠組みを見直し、熱意をもって革新できる人財 主体的に自己の能力を高め、新たな可能性にチャレンジできる人財 良好なチームワークを構築し、組織目標に貢献できる人財 健康的で健全な生活習慣を実践できる人財 |
経営戦略に基づく人的資本の課題 | <方向性> 少数精鋭の組織運営の実現=個の成長×組織力の向上×魅力ある風土の醸成 早期に収益力を改善するための要員計画マネジメントと並行して、中長期的な成長のための人財育成・組織開発・風土改革を実行する。 <重点課題> ①会社の成長を担う人財の獲得・育成・登用
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人的資本の最大化に 向けた取り組み |
Ⅰ.人財獲得 |
Ⅱ.成長支援(育成・リスキリング・キャリア形成) | |
Ⅲ.マネジメント力の強化 | |
Ⅳ.DE&Iの推進 | |
Ⅴ.Well-beingの実現 |
人的資本の最大化に向けた取り組み
指標と目標
経営戦略に基づく 人的資本の課題 |
人的資本の 最大化に向けた 取り組み |
指標と目標(KPI) | ||
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指標 | 目標 | 2023年実績 | ||
会社の成長を担う 人財の獲得・育成・登用 |
Ⅰ.人財獲得 Ⅱ.成長支援(育成・リスキング・キャリア形成) |
経験者採用の状況(総合職) | 総合職採用数のうち、3~5割を経験者採用にする | 採用総数:28名 内、経験者採用16名(57%) |
人財育成・研修への投下費用 研修参加者数、学びへの時間投資(労働時間対比) |
2025年3月期中に策定 | - | ||
社内公募、ジョブチャレンジによる人事異動者数、率 | 2025年3月期中に策定 | - | ||
主体的なキャリア形成の実現度 | エンゲージメント調査のキャリア実現に関するポジティブ回答が60%以上 | 多様なキャリアの選択肢やチャレンジ機会が提供され、活用できる環境がある:44.2% | ||
個の力を組織の成果に結びつけるためのマネジメント力の向上 | Ⅲ.マネジメント力の強化 | 持続的成長につながるマネジメントの貢献 | エンゲージメント調査の将来性、未来志向に関するポジティブ回答が60%以上 |
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エンゲージメント・心理的安全性の高い組織風土の醸成 | フィードバック文化の醸成 | エンゲージメント調査の承認・称賛、正当な評価に関するポジティブ回答が60%以上 |
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Ⅳ.DE&Iの推進 Ⅴ.Well-beingの実現 |
ワコールGENKI計画2025のKPI達成 | 社員の“Well-being”を実現し、持続的成長を目指す | 2023年度の結果集計中 | |
障がい者雇用 | 2024年度法定雇用率2.5% | 2.59%(2024年3月時点) |
労働組合との関係
ワコール及び一部のグループ会社には、労働組合が組織されています。株式会社ワコールの社員で構成されるワコール労働組合は、ユニオンショップ制を採用し運営されています。
(組合員数3,198名、2024年4月1日現在)
ワコールの労使関係においては、「相互信頼の精神のもとに、生産性の向上を通じて会社の発展と組合員の労働条件の維持向上を図ること」を労働協約の前文にて確認し、労使協議会等の場において、中期経営計画の進捗状況の確認、ワコールの人財マネジメントシステムの運用の検証や確認をはじめ、従業員と会社がともにより良くなるための活動を行っています。