DE&Iの推進
当社グループは、従業員一人ひとりの働きがいを高める仕組みを追求しつつ、人的資本の量的・質的な適正化を図ることによって、健全な企業風土と強固な経営体質の構築を進めております。「相互信頼」の経営理念のもとに、多様な人材や価値観を受容し相互に信頼関係を深め、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる職場環境の実現を目指しております。引き続き、多様なキャリアパスや働き方の選択肢を拡充させるほか、新しい人事評価制度の導入を進めるなど、変化の激しい市場に対する組織の意思決定において、従業員の多様性を活かすことができる人材施策を実行してまいります。
女性活躍
㈱ワコールは、お客様そして従業員の多くが女性であることから、より多様な価値観を経営の意思決定に反映する必要があるため、女性の活躍推進を重要な経営課題と捉えています。そのため、女性特有のライフステージに応じた就労環境を整備し、より柔軟な働き方を促進するとともに、性別や年齢に拘らず能力や成果に応じて昇格・登用されるしくみを整備しています。なお、㈱ワコールは2021年2月に女性の活躍に関する取り組みの実施状況が優良であるとして、厚生労働省から「えるぼし認定」を取得いたしました。
<女性の管理職への登用>
㈱ワコールでは、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しており、2025年3月期までに課長級以上の女性管理職の比率を30%以上に高めることを目指しています。2023年4月1日時点の課長級以上の管理職に占める女性比率は29%となっています。
性別を問わず、早い段階からリーダー適性の高い人材の発掘を行い、経営幹部候補への育成機会の提供をさらに進めてまいります。また社員の自律的な成長をサポートしつつ、様々な事業、職務の経験を促して、継続的にキャリア意識の醸成に取り組み、経営幹部を担う人材の育成を進めます。
2019/3 | 2020/3 | 2021/3 | 2022/3 | 2023/3 | |
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女性従業員比率(%) | 86.3 | 89.5 | 89.9 | 90.5 | 91.0 |
女性管理職者比率(%) | 22.6 | 24.0 | 27.3 | 27.3 | 29.3 |
女性活躍推進法に基づく行動計画
(令和2年9月2日から令和6年9月1日までの4年間)
㈱ワコールでは、2016年4月より施行された「女性活躍推進法」に基づき、一般事業主行動計画を策定しています。引き続き、女性特有のライフステージに応じた労働条件を整備しつつ、性別ではなく、能力による採用および育成を重視することで、男女問わず活躍できる人材の育成を推進するべく取り組んでいきます。また、2021年2月には、女性の活躍に関する取組の実施状況が優良な企業として「えるぼし」の認定を取得しました。
【当社の課題】
課題1:
管理職及び経営幹部候補となりうる女性社員の啓発及び育成のための仕組みと継続的な運用が必要
課題2:
女性のキャリア形成、働き方の多様化に伴い、個人の私生活の充実とキャリア形成の両立が実現できる制度構築が必要
【目標】
目標1:
管理職(課長級以上)に占める女性割合30%以上に向けて取り組む。
目標2:
全社員(100%)がリモートワークを取り入れた柔軟な働き方ができる状態になるように取り組む。
【取組内容】
取組 | 対策 | |
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目標1 | 取組1: 管理職を目指す女性社員に対して、女性管理職として活躍している社員とのマッチングを図るメンター制度を設ける。また経営幹部候補が育つ風土を醸成する。 |
①令和2年9月~
②令和3年4月~
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目標2 | 取組2: 性別問わず、誰でも働く時間、場所に関係なく成果を創出するための環境・制度整備を行う。 |
①令和2年9月~令和3年3月
②令和3年4月~
|
女性活躍推進法に基づく行動計画の実施状況は、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」 に掲載しています。
<男女間の賃金差異>
女性活躍の一つの指標である男女の賃金の差異は、㈱ワコールで52.9%(正社員53.9%、パート・有期社員58.1%、総合職79.2%、管理職91.2%)となっています。㈱ワコールでは、同一の役割であれば男女で賃金の格差は設けていないため、この差は、①管理職における男性比率が約70%程度あること、②総合職採用、特に新卒採用における女性比率が年々高まっており、結果として入社10年以下の社員においては女性社員の比率が高いこと(10年以下110名、51.9%、10年超71名、15.9%)、③総合職に対し販売職の人数比率が高いことによるものです。
男女の賃金の差異の解消に向けて、総合職における新卒採用や経験者採用で女性比率を高めているほか、年齢や性別に関係なく能力による登用を行い、管理職や役員の女性比率を高めてまいります。
ワークライフバランス
㈱ワコールでは、2017年4月より生産性向上と従業員の働きがい向上支援を目的として「働き方・休み方改革プロジェクト」をスタートし、テレワーク制度をはじめ、自己研さん目的や家族帯同時の休職制度の導入など、「働きやすさ」の視点での環境整備を進めています。今後は、生産性向上に向けた要員計画マネジメントの推進を予定しており、引き続き従業員の働きがいを高める取り組みを進めていきます。
2018/3 | 2019/3 | 2020/3 | 2021/3 | 2022/3 | |
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平均残業時間(時間) | 6.48 | 6.43 | 5.92 | 3.22 | 4.15 |
1ヵ月当たり総労働時間(時間) | 152.0 | 150.5 | 143.3 | 130.6 | 144.3 |
有給休暇取得率*(%) | 87.0 | 83.0 | 77.4 | 79.0 | 89.6 |
有給休暇取得率7割超の従業員割合(%) | 70.4 | 65.6 | 58.9 | 61.0 | 73.3 |
*全従業員の有給利用日数/全従業員の有給付与日数

(2018年認定)
㈱ワコール
㈱ワコールでは、従業員が豊かな人生を送り、仕事において持てる能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に取り組んでいます。この取り組みの一つ、仕事と育児の両立支援では、当事者だけでなく周囲でサポートするメンバーの双方にとって働きやすく働きがいのある職場を目指し、制度や風土の整備に取り組んでいます。また、次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づいた行動計画を策定し、目標達成に向けて取り組みを行った結果、2018年には3回目の「くるみん」認定に加え、「プラチナくるみん」の認定を取得しました。なお、2023年3月期の男性従業員の育児休業取得率は38.9%でした。
今後は、従業員が仕事と家庭だけでなく社会とのつながりを積極的に持つことによって、従業員個人の中での経験やスキルの多様性を増し、仕事におけるイノベーション創出につなげられるよう、従業員が自身の時間の使い方を柔軟にできるような仕組みも作っていく予定です。
2018/3 | 2019/3 | 2020/3 | 2021/3 | 2022/3 | |
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出産者数(人) | 131 | 130 | 129 | 126 | 138 |
育児休業制度取得者数(人) | 127 | 129 | 125 | 124 | 138 |
育児休業取得者率(%) | 96.9 | 99.2 | 96.9 | 98.4 | 100.0 |
男性育休取得者率(%) | 46.3 | 56.5 | 57.1 | 62.5 | 56.5 |
育児休業取得者復帰率(%) | 89.8 | 100.0 | 94.4 | 96.3 | 91.2 |
育児休業取得後退職者数(人) | 8 | 4 | 7 | 4 | 3 |
育児短時間勤務制度利用者数(人) | 335 | 343 | 387 | 424 | 459 |
育児フレックス勤務制度利用者数(人) | 90 | 87 | 91 | 96 | 97 |
介護休職制度利用者数(人) | 16 | 12 | 16 | 10 | 10 |
介護短時間勤務制度利用者数(人) | 8 | 9 | 15 | 12 | 10 |
介護フレックス勤務制度利用者数(人) | 3 | 5 | 6 | 6 | 3 |
ボランティア休暇取得人数(人) | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 |
㈱ワコールの両立支援の取り組み
<育児休業関係>
- 法を上回る社内制度の整備
- ①育児休業
子が満2歳まで延長取得可能 -
②育児のための超過勤務免除制度
子が小学校1年生(月に8日フルタイム勤務できる場合は3年生)の学年末に達するまで取得可能 - ③育児のための短時間勤務制度
全ての日において短時間勤務を行う固定短時間勤務に加え、業務の繁閑や従業員の事情に応じて選択的に短時間勤務を行う選択短時間勤務が選択可能。
子が小学校1年生(月に8日フルタイム勤務できる場合は3年生)の学年末に達するまで取得可能 - ④育児のためのフレックスタイム勤務制度
子が小学校3年生の学年末に達するまで取得可能 - ⑤看護休暇
給与は有休で半日単位で取得可能 - ⑥パーソナル休暇
従業員本人及び本人の家族の傷病、育児、介護、治療等を理由に年間6日、半日単位で取得可能 - ⑦配偶者帯同休職制度
配偶者の転勤を理由とした休職制度 - ⑧半日単位での取得が可能な有給休暇
- ⑨在宅勤務
仕事の内容や業務特性に合わせ、出勤とリモートワークの組み合わせが可能 - ⑩勤務地限定制度
勤務地を限定しない総合職が、育児を理由に勤務地を限定し勤務することが可能
- ①育児休業
- その他継続中の取り組み
育児休業取得者全員を対象に産休前・復帰前に、育児と仕事の両立準備シートを用いた面談の実施
<仕事と介護の両立に関する取組>
- 法を上回る社内制度の整備
- ①介護休業
子及びその他家族が要介護状態にあり介護休職を希望する場合、介護を必要とする者1人につき通算365日まで3分割で取得可能。他の制度と通算せず、介護休業単独で365日まで取得可能 - ②介護短時間勤務
所定就業時間の範囲内で1日2時間(30分単位)、介護を必要とする者一人の同一の要介護状態につき利用開始から3年の間、勤務時間を短縮して就業することができる。取得回数に制限はない。育児短時間と同様、固定短時間勤務と選択短時間勤務が選択可能 - ③介護フレックスタイム制
介護終了まで取得可能 - ④超過勤務免除
介護終了まで利用可能 - ⑤介護休暇
給与は有給で30分単位で取得可能 - ⑥時間外労働の制限・深夜業の免除
介護期間中、利用可能 - ⑦介護休暇
当該家族が1人の場合は年間5日・2人以上の場合は年間10日、30分単位で取得可能 - ⑧パーソナル休暇
従業員本人及び本人の家族の傷病、育児、介護、治療等を理由に年間6日、半日単位で取得可能 - ⑨半日単位での取得が可能な有給休暇
- ⑩在宅勤務
仕事の内容や 業務特性に合わせ、出勤とリモートワークの組み合わせが可能 - ⑪勤務地限定制度
勤務地を限定しない総合職が、介護を理由に勤務地を限定し勤務することが可能
- ①介護休業
-
次世代育成支援対策の実施状況は、厚生労働省「両立支援のひろば」
をご覧ください
多様性の尊重:外国人の管理職への登用
当社グループは、世界の国や地域で事業を営む企業グループとして、米国や欧州、中国をはじめとする海外各法人の代表(社長)及び重要な経営ポストに現地人材を登用しております。また、㈱ホンコンワコール、フィリピンワコール㈱及び㈱インティメイツオンライン(米国)の代表(社長)は女性が務めております。今後も引き続き、海外各市場での顧客視点による事業拡大、競争優位性の強化のために、国籍を問わない多様な現地人材の採用と重要な管理職ポストへの登用を継続的に推進してまいります。
多様性の尊重:障がい者雇用
当社では、全員がいきいきと働き続けるために必要な研修の実施や、一人ひとりの声を聴くための個別面談を通じて、環境改善、就労支援をしています。2018年2月には、障がい者の雇用促進と活躍機会の創出を目的にワコールアイネクスト(株)を設立、2018年12月に障害者雇用促進法に定める特例子会社の認定を受けました。
ワコールアイネクスト(株)では、業務範囲を限定せず、一人が複数の業務を担当する「マルチタスク」や、業務を分業して複数で請け負う「ワークシェア」など、個々人の能力開発を促す柔軟な働き方を採用し、一人ひとりがやりがいを持ち、成長を実感できる職場の実現を目指しています。
法定雇用率を守ることは企業として必要なことですが、数値としての目標ではなく、ワコールの掲げる相互信頼のもと、すべての人が活躍し、成長できる職場づくりにグループ全体で取り組むことで、多様性を活かす社会の実現に貢献していきます。
多様性の尊重:シニアの活躍
当社では、シニアの豊かな経験と能力の発揮、および本人の働きがいの支援に向けて、定年後も活躍できる制度を導入しています。
2018/3 | 2019/3 | 2020/3 | 2021/3 | 2022/3 | ||
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再雇用者数(人) | 女性 | 135 | 160 | 175 | 232 | 232 |
男性 | 70 | 70 | 78 | 81 | 80 | |
計 | 205 | 230 | 253 | 313 | 312 |