コーポレート・ガバナンス体制

企業統治の体制の概要

当社は、持株会社としてグループ会社におけるコーポレート・ガバナンスの確保のため、会社法上の機関設計として監査役会設置会社を選択し、取締役会と監査役会による業務執行の監督及び監査を行っています。また、取締役会の諮問機関として、その過半数を独立社外取締役で構成する役員指名諮問委員会及び役員報酬諮問委員会を任意に設置しています。

企業統治の体制を採用する理由

当社は、事業に精通した社内取締役と多様なキャリアを有する社外取締役で構成する取締役会と、社外監査役を含む監査役会によるガバナンス体制を採用しています。当社は、このガバナンス体制が持株会社としてグループ会社各社における業務執行の監督・監査を実施し、より良質な経営を実現・維持するために有効であると考えています。
また、取締役会の諮問機関として役員指名諮問委員会及び役員報酬諮問委員会を設置、両委員会ともに独立社外取締役が過半数を占め、独立社外取締役が委員長を務めることにより、公正性、独立性、客観性を高めています。
取締役会は客観的な観点による監督と経営判断を行うため、取締役7名(うち社外取締役5名、うち女性2名)で構成し、監督機能の強化と意思決定の向上を図っています。また、経営責任を明確にするため取締役の任期を1年とし、環境の変化に迅速に対応できる経営体制の構築を図っています。監査役会は監査役5名(うち社外監査役3名)で構成し、経営に対する監視・監督機能の強化を図っています。

コーポレート・ガバナンス体制
* 取締役の職務執行を監査するため、社内・社外監査役も出席しています。

取締役会、諮問委員会、及び主要な会議体の構成と概要

  名称 概要 開催回数
23/3期
1 取締役会 株主からの委託を受け、公正な判断によって最善の意思決定を行い、併せて、その業務執行に対する監督機能を発揮し、企業価値の最大化を目指します。
法令や定款に定める重要な事項の意思決定の他、中長期的な経営戦略や社会的課題の検討を行います。当社のサステナビリティを巡る課題に対し、当社の基本的な方針を決定するとともに、持続的な成長に資するよう、経営資源の配分や事業ポートフォリオに関する戦略の実行を監督します。
17回
2 役員指名諮問委員会 取締役の評価及び選解任、昇任候補者に関する事項、また、取締役の規程、内規の制定及び改定に関する事項について検討し、取締役会に答申することを目的としています。
委員会は委員全員の出席により成立し、全会一致をもって決議としています。
8回
3 役員報酬諮問委員会 取締役の業績評価、報酬に関する事項、また、取締役の報酬制度に関する事項について検討し、取締役会に答申することを目的としています。
委員会は委員全員の出席により成立し、全会一致をもって決議としています。
7回
4 独立社外役員会議 独立社外役員を中心にコーポレート・ガバナンスや取締役会に関する意見収集を行い、取締役会の実効性分析・評価を実施し、課題を抽出したうえで改善策をまとめ、取締役会に答申します。 2回
5 監査役会 株主からの委託を受け、監査に関する重要な事項について協議または決議し、社会的信頼に応える良質な企業統治体制を確立します。
監査役会は、各監査役による監査の実効性を高めるための体制を整備します。
18回
6 グループ経営会議 グループ経営戦略に関する事項や重要な経営課題に関する事項の検討を行います。
また、主に業務執行に関する重要事項について、その適法性、客観性、合理性の観点から取締役会での決議に先立ち事前審議を行っています。
23回
7 企業倫理・リスク管理委員会 当社グループの経営全般に関するリスクを把握し、リスク管理体制を整備・強化します。
企業倫理・リスク管理委員会は、取締役会の承認を踏まえて「リスク管理基本規程」を定めています。同規程をもとにリスクカテゴリーごとの責任体制を明らかにし、当社グループ全体のリスクを網羅的・総括的に管理するリスク管理体制を構築しています。
企業倫理・リスク管理委員会は、リスクを軽減化する取り組みを進め、リスクの把握と対応策の実施状況のモニタリングを行い、リスク管理体制の運営状況を定期的に取締役会へ報告しています。
6回
8 サステナビリティ委員会 事業を通じた「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を実現する取り組みを加速すべく、気候変動・地球環境問題、人権の尊重をはじめとするサステナビリティを巡る課題に対する基本的な方針を踏まえて、具体的な取り組み施策の立案、進捗状況のモニタリング、達成状況の評価を行っています。
また、取締役会では、サステナビリティ委員会の取り組みが、持続的な成長に資するよう、経営資源の配分や事業ポートフォリオに関する戦略の実行を監督しています。
7回

取締役会と監査役会の多様性

取締役
氏名 男性
女性
独立性
(社外のみ)
当社が期待する知見・経験(*)
企業経営
(経験・知見)
法務
コンプライアンス
投資・金融
資本市場
財務
会計
サステナビリティD&I 人材開発
組織開発
グローバル DX マーケティング 技術・生産
品質管理
矢島昌明              
宮城 晃            
齋藤 茂              
岩井恒彦          
山内千鶴                
佐藤久恵              
日戸興史            
  • (*) 上記一覧表は、候補者の有する全ての知見や経験を表するものではありません。
監査役
氏名 男性
女性
独立性
(社外のみ)
当社が期待する知見・経験(*)
企業経営
(経験・知見)
法務
コンプライアンス
投資・金融
資本市場
財務
会計
サステナビリティD&I 人材開発
組織開発
グローバル DX マーケティング 技術・生産
品質管理
北川真一              
岡本克弘                
浜本光浩                
鈴木人司              
田中素子                
  • (*) 上記一覧表は、候補者の有する全ての知見や経験を表するものではありません。

社外取締役および社外監査役

当社の社外取締役は、経営者として豊富な知見と経験を有する者及び投資、金融資本市場に関する知見、見識を有する者等が就任しており、各分野での豊富なキャリアと専門的な知識に基づいた客観的、中立的な助言によって取締役会の意思決定の適正性を向上させる役割を担っております。また、当社の社外監査役は、当社から独立した弁護士、金融業界での勤務及び日本銀行政策委員会審議委員の経験による高い見識を有する者、及び財務・会計に関する高い知見を有する公認会計士が就任しており、高い独立性を保持しつつ、専門的見地より取締役の意思決定、業務執行の適法性について、厳正な監査を行っております。

社外役員選任の理由

社外取締役 選任の理由 専門性・見識を期待する
分野
取締役会出席状況(2023年3月期)
齋藤 茂 他社において代表取締役会長を現任されており、長年の経営者としての豊富な経験と見識を有することから、経営の監督機能をより高めることが期待できます。 企業経営、
グローバル、DX
17回/17回
岩井 恒彦 経営者としての豊富な知見や経験に加え、研究、生産、技術分野に関する専門知識を有されており、経営の監督機能をより高めることが期待できます。 企業経営、
法務・コンプライアンス、
サステナビリティ・D&I、
マーケティング、
技術・生産品質管理
17回/17回
山内 千鶴 経営者としての豊富な知見や経験に加え、ダイバーシティ&インクルージョンに関する専門知識を有されており、当社の女性活躍や人材育成など人材戦略に資する助言を行っていただくこと及び当社の経営の監督機能をより高めることが期待できます。 企業経営、
サステナビリティ・D&I
-
佐藤 久恵 投資、金融資本市場に関する知見、見識に加え、グローバルレベルでの年金運用資産を統括した経験を有されており、当社の企業価値向上を活かしていただくこと及び取締役会の監督機能をより高めることが期待できます。 投資・金融資本市場、
財務会計、
サステナビリティ・D&I
-
日戸 興史 財務を経営戦略的に取り込める経営者としての豊富な経験を有されており、当社の企業価値の向上に活かしていただくこと及び取締役会の監督機能をより高めることが期待できます。 企業経営、
投資・金融資本市場、
財務会計、
グローバル
-

社外監査役 選任の理由 取締役会及び監査役会の出席状況(2023年3月期)
取締役会 監査役会
浜本 光浩 弁護士としての経験と専門知識を当社の監査体制に活かしていただくことが期待できます。 17回/17回 18回/18回
鈴木 人司 金融業界における長年の経験、経営者としての知見、経験を当社の監査体制に活かしていただくことが期待できます。 - -
田中 素子 公認会計士としての会計・財務の専門的な知識・経験等を当社の監査体制に活かしていただくことが期待できます。 - -

監査役と監査役会の機能強化

当社の監査役は、常勤監査役2名と独立社外役員である社外監査役3名の5名で構成されています。また、監査役の職務を補佐する監査役会事務局として専任スタッフを1名配置するとともに、監査室が監査役の求めに応じて適宜その職務を補助する体制を執っています。監査役会は、会社法に準拠して、監査報告書の作成、常勤監査役の選定及び解職、監査の方針・業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定を行うとともに、会計監査人の選解任または不再任に関する事項、会計監査人の報酬等に対する同意、監査役の選任に関する同意等、監査役会の決議による事項について検討を行っています。また取締役会の議題の事前検討や常勤監査役が出席した重要な会議の議事共有を含め監査に関わる事項の情報・意見の交換、代表取締役との意見交換や業務執行取締役及び重要な子会社である㈱ワコールの取締役に対する職務執行状況のヒアリングを実施しています。
社外監査役は、監査役会に出席し、常勤監査役から業務監査の状況、重要会議の内容その他の報告を受けるなど常勤監査役と十分な意思疎通を図って連携するとともに、会計監査人及び内部監査部門(監査室)からの各種報告を受け、財務報告の適正性を含めた内部統制システムの監査を実施しています。また、監査役会での議論を踏まえたうえで取締役会その他重要な会議に出席するとともに、子会社への往査・ヒアリング等を通じて監査の実効性を高めています。

内部統制

当社では代表取締役社長直轄の内部監査部門である監査室が「内部監査規程」に準拠し、当社及び国内外の子会社を対象に、業務遂行の適法性・妥当性等を監査するとともに内部統制の有効性を評価しています。なお、内部監査部門(監査室)の2023年3月末における人員数は7名です。
監査役と内部監査部門(監査室)は、毎月1回の頻度で定期的な報告確認会を実施しています。主な内容は、監査役の出席している主な会議内容の報告や、監査室の活動計画や活動実績の報告等です。また、監査に必要な文書等の情報は共有できる体制を整えており、監査調書についても相互に交換・確認を行うなど、両者が連携して、より効率的・効果的な監査を実施できる運営を行っています。
監査役と会計監査人は、定期的に報告・検討会を開催しています。内容は、監査計画の説明及び会社法監査結果の報告と確認、四半期レビュー報告、金融商品取引法監査及び内部統制監査結果報告と確認等です。

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