マネジメント力の強化

中核会社である(株)ワコールは、売上の低迷と固定費率の高いコスト構造を背景に収益力が低下しており、トップラインの成長回帰と収益力の改善に向けて、中期経営計画で掲げる事業戦略の見直しを進めています。経営の実効性を高めるために、的確かつスピーディーに意思決定を行い、組織の成果に貢献するためのマネジメント力の強化は極めて重要な課題であり、改めてサクセッションプランに基づくマネジメント人財の発掘、育成、任用に取り組みます。また、組織力の強化の観点からは、健全なフィードバック文化の醸成も必要であると認識しています。ビジョンの実現と戦略を実行でき、かつ個の力を組織の成果に結びつけるためにメンバーを動機づけることができるマネジメント人財の確保・育成の取り組みを推進していきます。

<マネジメント人財の育成>

2025年3月期においては、引き続きシニアマネジメント向けの経営理念浸透策の一環として実施するトレーニングと、全管理職を対象とした、イノベーションの源泉である多様性の推進と組織開発の基盤である心理的安全性、アンコンシャスバイアスの基礎知識の習得に取り組む計画です。
また、各本部と人財育成方針や支援方法等を随時共有し、各部門での人財育成がより図れるよう、定期的に部長級との情報共有・対話の機会を設定し人的資本戦略の確度を上げていきます。

<評価制度の見直し>

人財の多様性を高めつつ、より生産性の高い少数精鋭の組織づくりを進めています。また、それらのベースとなる「公正な評価や処遇」に向けて随時検討を行っており、フィードバック文化の醸成ならびに評価結果への納得度を高めることで、組織力の強化を図っています。2025年3月期には評価のしくみ、制度を一新する予定です。
特に販売職に関しては、マネージャー1人当たりのマネジメント対象人数が100名を超えており、十分な対話の機会が提供できていないことが課題でした。2021年4月より「評価助言者制度」を本格稼働させ、リーダー層(スーパーバイザーや店長・副店長等)に評価や人財育成に関する責任と権限を委譲し、併せてリーダー層に対する360°評価を実施する等、相互にフィードバックし合う文化を醸成してきました。2024年4月には「エリアマネージャー」を新設し、より権限委譲を推し進め、現場レベルでの人財マネジメントが有効に機能する体制づくりを進めます。

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