会社の対処すべき課題

①国内:市場環境の変化を踏まえた事業構造の変革

女性用インナーウェア市場は、人口動態の変化や消費行動の多様化を背景に縮小傾向にあり、加えて競争環境の激化や購買チャネルの変化が進んでいます。このような事業環境のもと、主力であるインナーウェア事業については、「成長回帰」を前提とするのではなく、市場規模に応じた適切な事業構造への転換を図っていきます。また、これまで培ってきた技術・知見や保有するボディデータなどの強みを生かし、当社グループだからこそ提供できる価値を通じて、利益を創出する事業モデルへの変革を進めてまいります。具体的には、従来の「インナーウェア」から、体型データに基づく「エンパワーメントソリューション」へと事業領域を再定義し、付加価値の高いソリューション提供を強化します。

②国内:収益力改善に向けたコスト構造改革の継続

基礎収益力の回復を図るため、コスト構造改革を継続します。プライシングについては、原材料費などのコスト動向や需要特性を踏まえ、売上への影響を最小化しながら価格の最適化を行うことで、粗利率の安定化及び改善を図ります。また、生産体制や調達の見直しを通じて、構造的に上昇する製造コストの増加影響を低減するとともに、定番・継続品の比率を高めることで返品等のロス削減や業務効率の向上につなげていきます。これらの取り組みを通じて、選択と集中を徹底し、事業環境の変化に対応した最適なコスト構造の実現を目指します。

③国内:デジタルと自社の強みを活かしたブランド・顧客戦略の強化

徹底した「顧客起点」でのブランドマネジメントを推進し、提供価値が明確で魅力あるブランドの育成に継続的に取り組みます。また、お客さまとの深く広く長い関係性を構築し、最適な顧客体験を提供するため、顧客起点のDXを推進します。「ワコールメンバーズ」の購買データに加え、「顧客の声」や「販売員の接客に基づく知見」についてもデジタルを活用して分析し、その知見を顧客体験の高度化に活かします。さらに、販売員によるコンサルティングサービスに加え、3D計測サービスやアプリを活用することで、リアルとオンラインを融合した顧客体験を提供するとともに、自社EC経由で実店舗へ取り置き・取り寄せするサービスの展開を強化するなど、多様な接点を通じた顧客体験の向上を図っていきます。

④海外:グループ経営強化を目的とした事業運営体制の強化

従来のグローバル本部から、HD社長直下の「欧米本部」及び「中国・アジア本部」の2本部体制へ再編し、意思決定から実行までのスピード向上を図るとともに、ガバナンス及びモニタリングの強化を推進します。米国については、2026年4月に買収したGlamorise Foundations, Inc.とのPMIの着実な実行に加え、ECの拡大や「CW-X」を中心とした成長ブランドの育成を進めます。欧州については、2024年9月に買収したBravissimo Group Limitedとのシナジーの最大化、また、新たなチャネルの開拓やEC拡大による成長基盤の強化に努めます。また、中国については、店舗損益管理の厳格化や赤字店舗への対処を徹底するとともに、売上規模に見合った機能・体制の見直しとコストコントロールを通じて、事業効率の向上を図ります。

⑤ガバナンス:経営管理基盤の強化を通じた収益力と資本効率の改善

資本効率性の改善を図り、筋肉質な企業体質を実現するために、当社グループではROICマネジメントを導入しております。ROICは、全社としての財務目標管理の指標として活用するとともに、成果を的確に測定するパフォーマンスマネジメントの手段として位置づけ、現場の改善活動と投資家をはじめとするステークホルダーが期待する収益力・資本効率の向上を定量的に結び付け、経営管理の実効性を高めることで、持続的な企業価値の向上に努めます。

⑥その他の課題

気候変動などの環境問題や人権問題の深刻さは増しており、適切な対応と予防が必要であると認識しております。当社グループは引き続き、複雑化・多様化する社会課題への取り組みを将来の「成長機会」と捉え、事業を通じて「社会課題の解決」と「持続的成長」を両立する「サステナビリティ経営」を推進してまいります。マテリアリティ(重要課題)の項目として定めた「顧客への提供価値の最大化」、「従業員ひとりひとりの成長と働きがいの高い組織の構築」、「次世代に向けた地球環境の保全」、「すべての人が自分らしく活躍できる社会の実現」、「持続的成長の実現に向けたガバナンスの強化」への取り組みを着実に推進することで、「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を図り、企業価値の向上に努めます。

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