事業上の対処すべき課題

新型コロナウイルス感染症の拡大は、生活者の価値観や健康等に関する意識を変えただけでなく、テレワークの推進や様々なサービスのオンライン化など消費行動や生活様式にも大きな影響を与えました。また、少子高齢化による国内市場の縮小、ECの拡大などの流通の変化、消費者ニーズの多様化、節約志向の高まり、地政学的リスクに伴う原材料および輸送費の高騰など、当社を取り巻く経営環境も大きく変化しています。加えて、気候変動などの環境問題や人権問題への深刻さは増大しており、社会からの関心が高まっています。
「VISION 2030」は、これら数多くの課題に対応し、事業を通じて「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を果たすための重要な中長期経営戦略フレームです。マテリアリティ(重要課題)のターゲットと定めた「顧客への提供価値の最大化」、「従業員ひとりひとりの成長と働きがいの高い組織の構築」、「次世代に向けた地球環境の保全」、「すべての人が自分らしく活躍できる社会の実現」、「持続的成長の実現に向けたガバナンスの強化」への取り組みを通じて、「高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する」という目標を達成し、企業価値の向上に努めてまいります。
なお、主要事業の課題や取り組みについて、以下の通りです。

国内事業の課題と取り組み

売上高が減少すると収益が生まれない硬直的な高コスト構造が最大の課題です。新しい顧客体験価値の提供と新規事業の創出によって再成長を実現すると同時に、硬直的なコスト構造を見直し、事業効率を高めてまいります。また、国内連結子会社については、経営の安定化が喫緊の課題となります。将来性を見極め、事業の継続や見直しを判断してまいります。なお、新規事業の創出については、M&Aも含め、非連続の成長を実現する取り組みを検討してまいります。

海外事業の課題と取り組み

主要市場においては、ECを中心に一層の事業成果を高めていく必要があります。また、インドやドイツなど、潜在的な市場規模が大きい新興エリアでの成長実現に向けては、競争優位性を確保するための投資を実施することでブランド認知の拡大に取り組みます。

生産・供給体制の課題と取り組み

新型コロナウイルス感染症の拡大や地政学リスクの高まりにより、原材料や輸送費が高騰していることに加え、感染症の拡大状況によっては不安定な操業を強いられることが想定されます。生産性の更なる向上に向けたグローバルベースでの供給体制の再整備が課題です。

サステナビリティの課題と取り組み

気候変動などの環境問題や人権問題はさらに深刻さを増しており、社会からの要請はますます高まっています。社会からの要請に応えることはもちろんのこと、複雑化・多様化する社会課題への取り組みを将来の「成長機会」として捉えるための共創イノベーションの推進が必要です。同時に、当社グループの変化対応力の強化に向けて、会社のあるべき姿や使命を明確にして行動できる社員を増加させることも重要な課題です。経営理念の実践者を増やすことで、従業員一人ひとりの自己成長と企業成長を実現してまいります。

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