会社の対処すべき課題

➀国内:多様化する顧客ニーズや短期化するトレンドに対応できるビジネスモデルへの転換

多様化する顧客ニーズや短期化するトレンドに対応できるビジネスモデルへ変革し、漸減傾向が続くトップラインの回復・拡大と収益力の回復を図ります。これまでの画一的な商品構成や新商品の納品スタイルを見直し、売れ筋を確実に店頭に届ける仕組みへの変革を進め、売上機会ロスの低減に努めます。また従来の一括生産の方式から、店頭の需要状況に合わせた生産方式に変更することで、売れ筋商品の充足率の改善につなげてまいります。商品の企画・開発においては、既存パターンの活用や企画開発会議等の業務プロセスの見直しにより、開発から納品までのリードタイムを短縮し、顧客ニーズを捉えた商品の投入スピードを速めることで販売活動の改善につなげてまいります。

➁国内:デジタルの力と自社の強みを活用した“ブランド戦略”と“顧客戦略”の実行

お客さまの“自分らしさ”に貢献できる商品やサービスを継続的に提供できる企業へ進化すべく、徹底した「顧客起点」でのブランドマネジメントを実行し、提供価値の明確な魅力溢れるブランドを育成します。またお客さまとの深く広く長い関係性を構築し、最適な顧客体験を提供するために、顧客起点のDXを推進します。顧客起点のDXについては、購買データに加え、「顧客の声」や「販売員の接客知見」についてもデジタルを活用して分析し、それを顧客体験の提供に活かしてまいります。さらに販売員によるコンサルティングサービスに加え、3D計測サービスやアプリを活用し、リアルとオンラインで一貫した満足度の高い顧客体験の提供を行うほか、販売員がオンライン上で商品レビューを行うなど、お客さまの体験向上に向けた取り組みを様々な角度から進めていきます。

➂海外:次期中期経営計画に向けた成長戦略の実行

欧米については、引き続き、EC成長の実現に向けてデジタルを活用した顧客接点の拡大への取り組みを推進するとともに、販売エリア・チャネルの拡大などを進めてまいります。また、中国については感染症に対する行動規制は緩和されたものの、感染症の経験を通して変化した消費者ニーズや消費行動への対応が不十分であり、収益の回復が遅れています。事業の集中と選択に取り組むことで成長軌道への回帰を実現すると同時に、コスト構造改革を実施し、事業効率を高めてまいります。

④ガバナンス:経営管理基盤の強化を通じた収益力と資本効率の改善

資本効率性の改善を図り、筋肉質な企業体質を実現するために、当社グループではROICマネジメントの導入を決定しております。ROICは、全社としての財務目標管理として活用するだけでなく、成果を的確に測定するパフォーマンスマネジメントの手段としても活用し、現場の改善活動と投資家をはじめとするステークホルダーが期待する収益力・資本効率の改善を定量的に結び付けていきます。

⑤その他の課題

気候変動などの環境問題や人権問題への深刻さは増大しており、適切な対応と予防が必要であると考えております。当社グループは引き続き、複雑化・多様化する社会課題への取り組みを将来の「成長機会」として捉え、事業を通じて「社会課題の解決」と「持続的成長」を両立する「サステナビリティ経営」を推進いたします。マテリアリティ(重要課題)の項目として定めた「顧客への提供価値の最大化」、「従業員ひとりひとりの成長と働きがいの高い組織の構築」、「次世代に向けた地球環境の保全」、「すべての人が自分らしく活躍できる社会の実現」、「持続的成長の実現に向けたガバナンスの強化」への取り組みを通じて、「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を果たすことで、企業価値の向上に努めてまいります。

PAGETOP