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PEACH JOHN香港 × Heather ―ブランドをつなぐ、香港発のコラボレーション―

  • 越部 周

    2013年入社

    (株)ワコールインターナショナルホンコン

  • PJ香港、ワコールインターナショナルホンコン

    左から

    PJ香港 クロエ氏

    ワコールインターナショナルホンコン アリス氏、イヴィ氏

  • 広東ワコール

    左から

    延氏

    赖氏

ブランドを超えた企画からローンチまでの舞台裏

2025年8月、香港で新たなコラボレーションが誕生しました。
PEACH JOHN香港と株式会社アダストリアのブランド「Heather(ヘザー)」が初めてタッグを組み、「PEACH JOHN×Heather」コラボレーションアイテムとして[カップインタンクトップ]2型を発売。

デザイン性と機能性を兼ね備えたこのアイテムは、発売直後から多くの注目を集め、好調なスタートを切りました。この背景には、ワコールインターナショナルホンコン、広東ワコール、そしてPEACH JOHN香港の3社が既存の枠を越えて挑戦したストーリーがあります。

今回の記事では、この共同プロジェクトに携わった各社のメンバーにインタビューを行い、企画が生まれた背景や取り組みの舞台裏、そしてブランドを越えてプロジェクトを推進したキーパーソンたちの想いをお届けします。

※Heather
いつまでも遊び心を忘れない“前向きな女の子”のためのブランド
ガーリッシュで程よくエッジのきいたアイテムをベースにトレンドをミックスし、等身大のスタイルを提案

“コミュニケーション”から生まれた新たな挑戦

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プロジェクトの組み立てを担ったのは、ワコールインターナショナルホンコンのマネージャー・越部氏。

―今回のコラボレーションを企画するに至った背景やきっかけは?

越部氏:これまでワコールインターナショナルホンコンは、日本や中国のサプライヤーから材料を調達し、製造会社へ届ける、いわばグループ内の商社的な機能を担ってきました。しかし今回は、販路設計を含むビジネス全体への初挑戦となりました。
アダストリア香港の代表とは以前から交流があり“いつか一緒に商品を作りたい”と話していました。両ブランドのメインターゲットは20〜30代女性で、世界感にも高い親和性があります。そこに“香港”という新しい市場が重なり、「PEACH JOHN香港×Heather」としてカップインタンクトップをつくるという正式な企画がスタートしました。

プロジェクトが動き出したのは2025年4月。
発売までわずか3か月というタイトなスケジュールの中で、関係各社が互いの強みを持ち寄り、スピードと品質の両立を目指してメンバーが奮闘してくれました。
熱意と粘り強さの先に、“コラボレーション”のかたちが見えてきました。

トレンドとブランドらしさを掛け合わせた“こだわりのデザイン”

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今回のコラボレーションアイテムの販促・広報・MDを担当したのは、PEACH JOHN香港のクロエ氏。
これまでにもカップ付きインナーの販売実績はありましたが、アウターとしても着られる[カップインタンクトップ]は、PEACH JOHN香港として初めての挑戦でした。

―コラボレーションは初の試みですが、デザインについて教えてください

クロエ氏:香港ではカップインアイテムの人気が高まっているのですが、他社製品は比較的シンプルなデザインが中心です。だからこそ、Heatherとのコラボで実現できるトレンド感とPEACH JOHNらしいフェミニンな可愛らしさを両立したデザインを意識しました。

そうして誕生したのが、2型のカップインタンクトップ。

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・Simple Thin Strap Bra Top
シンプルながら美しいシルエットで着回し力の高いベーシックな一枚

・Frilly Ribbed Vest Bra Top
繊細なフリルとリボンをあしらい、PEACH JOHNらしい甘さを演出する一着

どちらも“インナー”の枠を超え、日常のコーディネートに自然と溶け込むアウターウェアとしての魅力を備えています。

快適さとデザイン性を両立する、香港市場に寄り添った素材選び

素材選定を担ったのは、ワコールインターナショナルホンコンのアリス氏とイヴィ氏。

―素材選定で最もこだわった部分はありますか?

アリス氏、イヴィ氏:表地にリブ素材、裏地にモダール素材を採用し、肌あたりの良さとデザイン性の両立を追求しました。当初はモダール生地で試作しましたが、素材感の特徴でどうしてもインナー感が強く残ってしまうのが課題でした。 “アウターとしても着られる”という今回のコンセプトに合わせ、リブ素材への切り替えを決定しました。

ところが、ワコールインターナショナルホンコンでは当時アウター用のリブ素材を通常の取り扱いラインに持っておらず、新たな調達ルートの開拓が必要に。ここで協力を仰いだのが、日本ワコールのブランドでカップインウェアに強みを持つ 「OUR WACOAL」でした。国内サプライヤーとの連携を通じ、理想とする質感・伸縮性・着心地を満たす素材を確保することができました。

また、香港の顧客ニーズに合わせ、“フィット感”や“バストのボリューム感”にこだわり、プッシュアップ仕様を採用。PEACH JOHNの既存アイテムの特徴である“盛り感”を踏襲しつつ、香港市場にフィットする絶妙な使用感を追求しました。

広東ワコールの挑戦

今回の製造を担ったのは、グループ内でインナー製品の製造を主力とする広東ワコール。
“アウターライクな縫製”は初めての挑戦でした。
素材の特性を見極めながら、縫製技術やカッティングの精度を追求し、幾度となく試作を重ね、タイトなスケジュールの中、チームが一丸となって製品の完成を目指しました。

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―コラボレーションを通じて学びや成長を感じた瞬間はありましたか?

延氏、赖氏:レースを使うとどうしても下着の印象が強くなるため、メッシュ素材のフリルを採用しました。“ガーリーでありながらもアウターとして成立する” その絶妙なバランスを追求するため、何度もパターンを引き直しました。

アウターウェアという新しい領域への挑戦は、広東ワコールにとって大きな学びの機会となり、“ものづくりの原点”を改めて見つめ直す時間でもありました

ブランドの枠を超えて生まれた、新しい販促企画

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販売プロモーションでは、店舗とSNSを連動させた施策に注力。両ブランドの商品を組み合わせた店舗内ディスプレイで世界観を表現し、ブランドをまたいだ顧客接点を創出しました。
また、スタッフが自ら撮影・編集したリール動画も積極的に発信。現場の感性と熱量がこもったコンテンツは大きな反響を呼び、リアルで等身大なブランドの魅力が多くのユーザーの共感を集めました。

さらに、買い回りキャンペーンも実施。
両ブランドの店舗で一定金額以上購入したお客さまに共通クーポンを配布し、相互送客を促進しました。

次なる挑戦へ

発売直後から好調な滑り出しを見せた本コラボレーション。
3社はすでに次なる展開を見据え、前向きに次期コラボレーションを検討しています。

―今後に向けて、どのようなアイデアや方向性を考えていますか?

ワコールインターナショナルホンコン:今後は、パッド付きのアウターやクール系のアイテムなど、香港市場のトレンドを捉えた商品の開発を進めていきたいと考えています。

PEACH JOHN香港:PEACH JOHNブランドのさらなる認知拡大を目指し、今回のようなコラボレーションを、他のアダストリアブランドとも展開していきたいです。

広東ワコール:インナーウエアにとどまらず、ルームウェアやスイムウェアなど、これまでにない製品領域にも積極的に挑戦していきたいと考えています。

チームの力が生んだ新しいコラボレーション

「PEACH JOHN香港 × Heather」コラボレーションは、企業や役割の垣根を越えて生まれた、新しいチームのかたち。
異なる文化と強みを持つブランドが手を取り合うことで、これまでにない“価値”をお客さまに届ける。
私たちは今後も、ブランド・グループ・国境を越えて、新しい挑戦を続けていきます。

おわり