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9月1日は防災の日 〜使い切り下着[AnyAnyインナー]の新しいチャレンジ〜

9月1日は「防災の日」。
災害への備えを見直し、防災意識を高める大切な日です。
また、8月30日から9月5日は「防災週間」として、私たち一人ひとりが日常生活の中で“もしものとき”に備えることを考える機会でもあります。
ワコールは、毎日身につけるからだに最も近い存在である「インナー」だからこそ、非常時にも安心と快適を届けたいと考えています。
そんな想いから、下着と防災をつなぐ新たなチャレンジが始まりました。

  • 田坂 精志朗

    2017年入社
    (株)ワコール マーケティング本部 IWブランド統括部 Wing(ウイング)ブランド 企画MD課

防災リュックに「下着」は入っていますか?

2025年2月、ワコールは「防災用品点検の日」(3月1日)に向け、男女計18,271名に対して「防災準備と下着に関する調査」を実施しました。

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 【防災準備と下着についてのアンケート結果】
 ・防災リュック(バッグ)を用意していると回答:35.6%
 ・防災リュックを所持し、中身を把握している人のうち、下着を用意していると回答:52.6%
 ・アンケート回答者全体のうち、防災リュックの中身を把握し下着まで用意していると回答:10.9%

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一方で“下着を用意していない理由”として最も多かった回答は「かさばるから」(30.7%)でした。
快適で清潔な生活に不可欠な下着が十分に備えられていない実態が浮き彫りになりました。

専門家の視点:防災用品としての「清潔な下着」の重要性

防災アドバイザーの南あきこさんは、「災害時は洗濯・入浴ができない状況が続く可能性があるため、せめて地肌に直接ふれる下着は清潔に保ちたい」と指摘します。
また、「防災リュック(バッグ)に入れやすい、カップ付きインナーやかさばらない下着、ノンワイヤーブラ、使い切りの下着、生地が分厚くないものなど、かさばらないかどうかがポイントです。寝るときも着用できる「ナイトブラ」を準備しておくといいでしょう。」とアドバイスしています。

出典・引用:
2025 年 2月26日(株)ワコール ニュースリリース
ワコールウェブストア キレイの知恵袋 《プロ直伝》備えて安心!備蓄のコツと、防災に役立つ下着の選び方

[AnyAnyインナー] 備蓄用インナーとしての進化

ワコールの「Wing(ウイング)」ブランドから誕生した 使い切り下着[AnyAnyインナー]は、紙素材(パルプ40%)と不織布を組み合わせたやさしい着用感で、旅先や入院時など幅広いシーンで活用され、ワンサイズ(M/L/LL)で幅広い体型に対応できる点が特長です。

現在[AnyAnyインナー]は、「未来の防災備品」として“備蓄用”としての改良に取り組んでいます。
「災害時の備蓄用」として改良を加えた、アルミ圧縮パッケージ版[AnyAnyインナー]の開発です。

<通常版>パッケージ

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女性用 ウイング[AnyAny インナー]3枚セット
男性用 ウイング[AnyAny インナー(メンズパンツ)]5枚セット

アルミ圧縮パッケージは以下の特徴があります。
・圧縮によりコンパクト化し、かさばらない保管を実現。
・アルミパッケージによる防湿・遮光で長期保管を可能に。
⇒保管スペースの削減とローリングストックのサイクルを大幅に延長へ

これにより、“かさばる”という課題を改善し、今後より多くの施設や場面での活用が期待できます。

大阪・関西万博での展示~社会とつながる取り組み

2025年6月、「O-MU-TSU WORLD EXPO ‐ 未来のおむつコレクション」で、アルミ圧縮パッケージ版の[AnyAnyインナー]を展示しました。
会場では来場者から多くの質問や展示品の撮影があり、「下着×備蓄」という新しい視点への注目度が感じられました。
また排泄ケアに関連する企業が集結する排泄ケア機器展へも出展し、今後のさらなる認知拡大につながるきっかけとなりました。

O-MU-TSU WORLD EXPO会場 「シャインハット」

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左から:シャインハットにて@大阪・関西万博 , アルミ圧縮パッケージ(サンプル)

備蓄用インナーとしてのこれから

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―[AnyAnyインナー]の「アルミ圧縮パッケージ化」はどういう経緯で始まったのですか。

田坂:既存のAnyAnyインナーは、ワコールウェブサイトをはじめ、さまざまなECチャネルや店舗を通じて広く販売されています。また、株式会社ワコールでは、能登半島地震により甚大な被害が発生した被災地に対して、災害義援金の提供に加え、被災された皆さまへの追加支援として「使いきりインナー」の無償提供を実施しました。
そういった背景から、これまでも公的機関や病院などからたくさんのお問い合わせをいただいたものの、“かさばるために保管スペースの確保が難しい”という課題がありました。そこで、備えとしての保管性を重視し、“コンパクトかつ長期保存が可能なパッケージ”を目指したのがきっかけです。

― 取り組みはいつ頃からスタートしたのでしょうか?

田坂:企画が始まったのは2024年です。繊維製品の圧縮に特化した専門メーカーと協業し、パッケージ化を進めました。その結果、圧縮と長期保存性を両立した形へと進化させることができました。

― 試作品の展示は万博で行われたそうですね。反応はいかがでしたか?

田坂:2025年6月の『O-MU-TSU WORLD EXPO―未来のおむつコレクション』では多くの来場者からご質問いただき、「備蓄×下着」という新たな視点に関心が集まっていると感じました。また既存品についてもホームセンターでの展開や7月にはメーカー様主催の展示会にも出展を果たしており、着実に[AnyAnyインナー]の認知度を広げています。

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左から:YAMAZENハードウェアショー , ホームセンター アグロガーデン神戸駒ヶ林店

― 広がる今後の可能性は?

現在もワコール店舗やECサイトに留まらず、病院内の売店などでも[AnyAnyインナー]をお取り扱いいただいています。災害時に関わらず、入院や外泊時でも気軽に利用できる点がメリットです。ワコールお客さまセンターを通じた企業からのお問い合わせも多くいただいており、弊社の新業態開発課と連携し、公的機関や病院、防災関連企業との協業も模索しています。商品に対してのブラッシュアップ案としてはパッケージ圧縮版の検証は行いつつ、スピード感を重視して現行品の『1枚入りパック』の販売、ショーツのユニセックスモデルなども構想中です。

ワコールの想い ― “もしも”の時に寄り添える存在へ

防災の日をきっかけに、日常の延長線上で“もしもの備え”を考えることは、私たち一人ひとりの安心だけでなく、地域や社会全体の安心にもつながります。
インナーという毎日身につける、日常でもっとも身近なアイテムだからこそ、いざという時の備えに変えていく。
皆さんの毎日に、そして“もしも”の時に寄り添える存在へ。
ワコールと[AnyAnyインナー]の取り組みは、そんな思いを込めてこれからも進化していきます。

おわり