製造における安心・安全の取り組み

生産に入る前の過程

インナーウェアの高い品質を維持するため、ワコールではひとつの商品に対して、本格的な生産に入る前に、延べ150項目以上のテスト・チェックを行っています。製品は、企画されてから生産に入るまでに、材料検討・機能評価(着用・実験・耐久)・試作という段階を踏みますが、この間に構成するパーツや半製品・完成品について、機能別特性に応じたテスト・チェックを行います。お客さまが商品に求める品質を「安全性・耐久性・取り扱い性・着用性・外観性」など、多様な側面に徹底的なテスト・チェックを実施することで高めています。

生産プロセス

ブラジャーの生産プロセスには、「原材料」の調達から、「延反」・「裁断」・「縫製」・「検品」・「出荷」など、さまざまな工程があります。それぞれのプロセスでは、数々の品質検査があり、最終検査にいたるすべての検査をクリアした完成品だけが、ワコールの製品としてお客さまのもとに届けられます。

縫製指令書

ブラジャーの「縫製」は、40以上ものさまざまな形の小さなパーツを組み合わせながら、手作業で行っています。1枚のブラジャーにつき約20工程、これを1チーム20人で約25分かけて作っていきます。一つひとつの工程では、非常に繊細さが要求され、1ミリの狂いもなく美しいフォルムに縫い合わせるためには、熟練した技術が必要です。
ブラジャーのまるみをつくる作業は特に難しい作業であり、縫い目の数が1つ違ってしまうだけでも、体のラインに沿った快適なつけごこちが実現できなくなるため、ワコールでは「縫製指令書」という1枚の用紙を縫製工程の手順書として使用しています。これは、縫製に使用する糸、針、縫い代や重ね糸の幅、針目の大きさなど、縫製の要領を細かく定めたものです。こうした隅々まで細かく定められた縫製要項に加えて、職人技ともいえる熟練した縫製技術を身に付けた技術者が微妙な手加減で縫製を行っていきます。

縫製工程で発生する針折れへの対応

繊細な縫製や、異なる生地を縫い合わせる時、金属部品に針が当たった時など、まれに針が欠けてしまうことがあります。縫製中に針が欠けた場合には、周囲の全作業を中断し、針の断片を徹底的に回収します。集められた断片は、「折れ針復元ツール」で1ミリの断片も見落とさないよう、細心のチェックが行われ、さらに欠けた針同士の断面を合わせて、元通り完全な形に復元するようにしています。こうした針折れの飛散防止のために、ミシンにプラスチック製の「折れ針飛散防止ガード」が取り付けられており、さらに出荷時には検針機でも検査するなど、徹底した品質管理を行っています。

最終検査

仕上がった製品に対するワコールの最終検査は、ブラジャーで25項目にも及び、縫い目の数が多すぎないか、規定通りに縫われているかなど、細かい部分まで人の目でくまなくチェックしていきます。こうした厳しい検査を通過したものだけが、ワコールの製品として認められます。

水平展開

高い縫製技術やノウハウは、日本から海外の生産工場へも共有しています。「一歩上の品質を目指し、付加価値をつける生産を行う」という考えのもと、世界中の女性の満足をカタチにするために、グループ全体で厳しい品質基準のものづくりを実践しています。

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