バリューチェーン改革の具体的な取り組み
当社は感染症拡大による消費社会の構造変化を予測しつつ、独自の組織能力の進化にむけてバリューチェーンの改革に取り組んでいます。取組の推進にあたっては、グループ経営理念、及び創業当時から受け継がれる「相互信頼」経営を踏まえて特定したワコールグループの6つの重要課題(マテリアリティ)を前提とし、各種取り組みとマテリアリティの関連性を明確化することで、独自の組織能力の進化を通じた企業価値向上と社会全体の発展への貢献を実現していきます。
具体的な取組み
バリューチェーン
優先事項
- 顧客視点を起点としたバリューチェーンの進化
優先事項
- グローバルベースの生産・調達体制の確立
- 責任ある調達活動の推進
優先事項
- 持続可能な成長を実現する革新的な技術活用の推進
- 流通構造の変化への対応強化
バリューチェーンを支える基盤
研究開発・リサーチ
今後の取り組み | 詳細 | 関連するマテリアリティ |
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お客さまの課題を解決し、満足を高めるイノベーション強化 | ・購買データや3D計測データに基づいた、新製品やサービスの開発及び仮説・検証の実行 |
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顧客の購買行動の変化に対応する新製品の開発推進 | ・在宅勤務などの新しい生活様式下における需要に対応した新製品の開発 | |
顧客のタッチポイントの変化に応じたブランド再編・在庫の適正化 | ・約3割のブランド・グループ数の削減実行((株)ワコール) | |
国内外の垣根を取り払った付加価値の高い新製品の導入 | ・人間科学研究所の研究内容のグローバル活用や、中国市場での「AMPHI」拡大 | |
環境負荷を低減する事業活動・商品開発の推進 | ・環境負荷の低い材料や付帯資材の開発、包装材での脱プラスチック対応 | |
品質保証活動の継続的強化 | ・重大品質問題の根絶に向けた、グループ内の表示表現審査体制の運用強化 |
調達・生産
今後の取り組み | 詳細 | 関連するマテリアリティ |
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グループを横断した生産計画・管理体制の強化 | ・工場間のキャパシティ管理による高効率な生産体制の確立 |
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グループの材料調達機能の連携 | ・グループ共通材料の調達や品質基準の統一化 | |
海外グループ工場の品質・技術レベル向上のための技術支援強化 | ・技術者の人材育成とフレキシブルな生産体制の実現 | |
小売環境の変化に対応できる物流体制の構築 | ・自社ECビジネス成長強化と発送業務の効率化に向けて、物流センターを拡張(2022年秋稼働予定) | |
人権尊重・労働問題に対応した調達活動の推進 | ・現地監査の継続的実施、CSR調達活動の対象範囲の拡大 | |
環境に配慮した調達活動の推進 | ・環境負荷の低い材料調達の推進、サプライチェーン全体の環境活動の検討 |
マーケティング・販売
今後の取り組み | 詳細 | 関連するマテリアリティ |
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顧客データを活用したリレーションマーケティングの実践 | ・客データの活用による顧客のライフタイムバリュー(LTV)の向上 |
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持続可能な成長を実現する革新的な技術活用の推進(お客さまと従業員の安全・健康の取り組み強化) | ・3Dボディスキャナー、AI(人工知能)を導入した接客システムの展開加速 ・リモート接客など、新たな接客システムの検討・推進 ・上記導入に伴う非接触接客スタイルの推進 |
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変化する流通チャネルへの対応強化 | ・自社ECの売上拡大、自主管理売場への移行推進 | |
オンラインとオフラインチャネルの連携・融合 | ・顧客起点のサービス網の拡充、店舗価値の最大化 | |
パーソナライズ化されたマーケティング活動の実践 | ・グローバルベースでのデジタルマーケティング戦略の構築強化 | |
環境負荷低減や社会課題解決に向けた活動の推進 | ・売れ残りの商品廃棄の縮減、ショッピングバッグの削減 ・世界の事業所におけるブレストケア活動の推進 |
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情報セキュリティ体制のさらなる強化 | ・データセキュリティとプライバシー保護のさらなる推進 |
経営
今後の取り組み | 詳細 | 関連するマテリアリティ |
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高収益な経営体質への転換と資本効率の向上 | ・(株)ワコールの固定費率削減や、不採算な子会社などの事業改革 ・運転資本の圧縮や政策保有株式の縮減 |
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実効性の高いコーポレート・ガバナンス | ・計画の実効性を高める報酬制度やサクセッションプラン等のさらなる整備 ・実効性評価の継続、評価方法・プロセスのさらなる改善 |
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リスク管理・コンプライアンス活動のさらなる推進 | ・BCP計画の策定 ・感染症をきっかけとしたリスク体制の再整備 ・国内外の子会社に対するコンプライアンスの啓発、経営理念の浸透 |
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情報開示とコミュニケーション活動の強化 | ・ステークホルダーとの対話機会の創出 ・ESGの取り組みに関する情報開示の充実、ミーティングの開催 |
人材
今後の取り組み | 詳細 | 関連するマテリアリティ |
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新しい働き方(リモートワークなど)に適応した各種制度の整備 | ・リモートワーク拡大に伴う人事制度の見直し ・ジョブ型雇用を前提にした新たな処遇制度の構築 |
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人材マネジメントの継続的な強化 | ・専門性、グローバルな視点、継続的な成長の3つの視点を踏まえた新たな人材育成システムの継続的運用と効果検証 | |
採用手法の再構築(キャリア採用・通年採用の検討・実施) | ・キャリア採用のウエイト拡大や、リファラル採用による多様な人材の確保施策導入 | |
要員計画マネジメントの実行を通した生産性向上 | ・人的資源の量的・質的の適正化と採用人数の全社管理の徹底による従業員一人当たりの生産性向上 | |
女性の活躍推進・多様な働き方の尊重 | ・テレワーク環境の整備(対象者拡大) | |
健康経営の推進 | ・全社員の健康リテラシーと健康習慣の醸成 |