経営戦略

2017~2019年3月期 中期経営計画の概要

当社グループでは、2016年4月からスタートする3ヵ年中期経営計画において、「グループとして世界のワコールを目指す」という将来像を掲げています。その実現に向けて、経営資源やグループのネットワークを最大限に活用し、常に先駆的な商品を提供し、下着文化の領域を開拓し続け、世界中の顧客から高い信頼を獲得します。また、競争優位性のある分野や新しい事業領域へ挑戦し、更なる企業価値向上を目指します。3ヵ年中期経営計画の業績目標数値は、連結売上高2,150億円以上、連結営業利益150億円以上とします。

  • 国内事業の収益確保
  • 海外事業のさらなる成長
  • グループシナジー発揮と競争力強化
  • 事業ポートフォリオ拡大への挑戦
  • グループ経営基盤の整備
  • 資本政策
  • 株主還元

前中期経営計画の振り返り

前中期経営計画では、「経営理念の再認識と実践」「グローバル企業への進展」「国内外各社の連携によるグループ総合力の強化」「環境変化に対応できる経営体質の強化」「社会との相互信頼づくり」の5つの基本方針のもと、連結売上高2,000円億以上、連結営業利益140億円以上、営業利益率7%以上を達成すべく、国内事業における顧客接点の拡大やエリアシェア奪取、中国をはじめとした米国、欧州市場での海外事業の売上・収益の拡大などに取り組みました。
これらの取り組みの結果、国内事業の売上高については、既存事業は横ばいでしたが、新しく水着事業を主力にしている株式会社Aiが加わったことにより増加しました。海外事業については、円安の影響に加え現地通貨ベースでも確実に成長し、売上は大幅に伸長しました。ピーチ・ジョン事業とその他事業については減収に終わりました。利益面では、材料調達の集約やアセアン地域への生産シフト推進などのコスト削減に積極的に取り組み、円安や加工賃の上昇に対抗しましたが、営業利益率は6.8%とわずかながら未達成に終わりました。

グループを取り巻く環境とリスク

国内においては、実質可処分所得の伸び悩みが、消費者の節約意識を一層高め、個人消費は今後も不透明です。また、商業施設の撤退が続き、国内レディスインナーウェア市場を取り巻く環境は厳しくなっています。一方、インバウンド消費の拡大や新しい流通チャネルの台頭、女性の社会進出や活躍の広がり、また、2020年東京オリンピック開催など新たな市場機会も生まれています。
海外においては、中国経済の失速や欧州エリアでの不安定な政治・経済状況などリスク要因は多いものの、海外事業はグループ最大の成長エンジンであることに変わりはありません。それぞれの国や地域の社会環境や消費者ニーズを的確に捉え、現地に根差した商品・マーケティング戦略を確立する必要があります。新興地域の売上拡大とともに、米国におけるブランド価値向上や欧州事業におけるマネジメント体制の強化、中国事業におけるより一層の収益改善に取り組み、世界三大市場において高収益体制を維持できる盤石な経営基盤を構築します。また、アジア諸国の賃金上昇、原材料調達のリスクなど製造分野の環境も年々厳しさを増しています。グローバルサプライチェーンを拡張し、商品競争力の向上と安定供給を可能にするため、グループ内連携を強化します。

国内事業の収益確保

付加価値の高い新製品を開発し続けることを前提に、お客さま視点でのチャネルミックスを構築します。これを実現するため、まず卸事業の生産性向上、小売事業の収益性改善に取り組みます。次いで、取引制度の見直しやITシステムの統合を実施し、顧客基盤の充実とチャネル間の相互送客を可能にします。

国内事業の収益確保図

ワコール事業(国内)重点施策

株式会社ワコール

2019年3月期数値目標

売上高
1,120億円
(2016年3月期比 1.7%増)
*2016年3月 1,101.2億円
営業利益
52億円
(2016年3月期比 22.9%減)
*2016年3月 67.4億円
  • エリア販売体制拡充による卸事業の生産性向上
  • 出店拡大と原価低減による直営事業の収益性向上
  • お客様視点のチャネルミックス構築(自社ECサイトと直営店舗網の相互送客)
株式会社ワコール売上高/営業利益目標
株式会社ワコール 売上高/営業利益目標図

株式会社Ai

2019年3月期数値目標

売上高
73.5億円
(2016年3月期比 28.6%増)
*2016年3月 57.2億円
営業利益
2.1億円
(2016年3月期比 18倍増)
*2016年3月 0.1億円
  • 通年店舗の強化とリゾートウェア商品の展開
  • グループ子会社間による水着の共同開発や商品の相互展開を中心に売上拡大
株式会社Ai売上高/営業利益目標
株式会社Ai売上高/営業利益目標図

海外事業のさらなる成長

各国・地域の外部環境変化に対応し、特にアメリカ、ヨーロッパ、中国の三市場で磐石な経営基盤を築きます。商品の付加価値を高めるとともに、内部体制の強化に取り組みます。

資本政策と株主還元図

ワコール事業(海外)重点施策

ワコールインターナショナル株式会社(米国)

2019年3月期数値目標

売上高
201億円
(2016年3月期比 2016年3月期並)
*2016年3月 202.2億円
営業利益
22億円
(2016年3月期比 11.7%減)
*2016年3月 24.9億円
  • 中高級商品市場の堅守
  • 周辺国、新チャネルの育成
  • マネジメント、管理職層の後継育成
ワコールインターナショナル株式会社(米国)売上高/営業利益目標
ワコールインターナショナル株式会社売上高/営業利益目標図

株式会社ワコールヨーロッパ

2019年3月期数値目標

売上高
164億円
(2016年3月期比 1.9%増)
*2016年3月 161億円
営業利益
16.5億円
(2016年3月期比 33.3%増)
*2016年3月 12.4億円
  • 組織再編の完了
  • ブランドポートフォリオの見直し
  • 人間科学研究所に基づく開発トライアル
株式会社ワコールヨーロッパ売上高/営業利益目標
株式会社ワコールヨーロッパ売上高/営業利益目標図

ワコール(中国)時装有限公司

2019年3月期数値目標

売上高
113億円
(2016年3月期比 2.1%増)
*2016年3月 110.7億円
営業利益
10.2億円
(2016年3月期比 109.4%増)
*2016年3月 4.9億円
  • 高級品における圧倒的商品力の発揮
  • 中間層向けブランド「ラ・ロッサベル」の収益性改善
  • 他社ECサイト売上拡大とサイト専用商品の開発
ワコール(中国)時装有限公司売上高/営業利益目標
ワコール(中国)時装有限公司売上高/営業利益目標図

グループシナジー発揮と競争力強化

各事業会社が抱える課題を個別に解決するとともに、ノウハウや販路、機能など、グループ内各社の持つ強みを相互利用し、全体としての競争力を向上させます。

ピーチ・ジョン事業重点施策

株式会社ピーチ・ジョン

2019年3月期数値目標

売上高
146億円
(2016年3月期比 22.0%増)
*2016年3月 119.7億円
営業利益
8億円
(2016年3月期比 210.1%増)
*2016年3月 2.6億円
  • ブランドイメージの再構築
  • O2Oコミュニケーション充実
  • 出店拡大と顧客基盤強化
ピーチ・ジョン事業売上高/営業利益目標
ピーチ・ジョン事業売上高/営業利益目標図

その他事業重点施策

株式会社ルシアン

2019年3月期数値目標

売上高
130億円
(2016年3月期比 11.6%増)
*2016年3月 116.5億円
営業利益
2.5億円
(2016年3月期比 黒転)
*2016年3月 - 0.4億円
  • 事業の選択と集中
  • 企画、生産の合理化
  • 高付加価値商品の開発
ルシアン売上高/営業利益目標
ルシアン売上高/営業利益目標図

株式会社七彩

2019年3月期数値目標

売上高
120億円
(2016年3月期比 14.2%増)
*2016年3月 105億円
営業利益
4.5億円
(2016年3月期比 47.1%増)
*2016年3月 3.1億円
  • GMSや衣料品専門店への新規開拓
  • 海外マネキンの商品構成充実と販売拡大
  • 新商材の開発
七彩売上高/営業利益目標
七彩売上高/営業利益目標図

事業ポートフォリオ拡大への挑戦

当社グループの持つ無形の強みを生かし、内外の経営資源と組み合わせて事業ポートフォリオの拡大に挑戦します。事業領域に制約は設けませんが、その事業が社会に対して「美」「快適」「健康」という価値を提供するものであることを念頭におきます。

グループ経営基盤の整備

社会の要請・期待が何であるかを常に問い続け、経営に反映します。そのためにステークホルダーとの対話を重視し、経営基盤の継続的改善を図ります。

資本政策と株主還元

堅固な財務基盤を維持しつつ、将来への投資と株主還元をより充実させ、企業価値の向上に努めます。株主資本の圧縮を意識しつつ3ヵ年の最終年度には、5%以上のROEを実現し、エクイティコストに見合う水準を達成します。

資本政策と株主還元図