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特集

特集2016

Wacoal for the World

信頼が「世界のワコール」への道を開く
ー中国編ー

世界経済の重要な鍵を握る国として、プレゼンスを高めている中国。
ワコールでは中国を海外における最重点市場の一つに位置づけており、「世界のワコール」実現に向けた事業拡大の柱としています。
中国進出から30年。国境を越えて「相互信頼」を浸透させ、ワコールらしさを根づかせながら現地化に力点を置いたビジネス戦略によって段階的な成長を遂げてきた、中国ワコールの"今"をお伝えします。

相互信頼が中国事業の成長を支える

他の日系企業に先駆け、ワコールが中国へと進出したのは1986年。以来、当地の女性に美しくなって貰うことを目指し、歩みを進めてきました。
広大な国土、膨大な人口を有し、長い歴史とともに多様な文化が根を下ろす中国でのビジネスは、いかに現地に対する理解を深めるか、急激な環境の変化に対応するかが鍵。その視点から見えてきた中国人女性が求める商品、サービスの提供を通じてお客さまとの信頼関係を長年にわたり築いてきたことが、今日の成長の礎であるといえます。
近年は、めまぐるしく変化するニーズに迅速に対応できる体制づくりを進め、商品企画やマーケティング手法も進化しています。また、最前線であるビューティーアドバイザーのレベルも向上し、尽力してきた人材育成も実を結びつつあります。相互信頼を強みに、ポテンシャルを広げる中国事業は、「世界のワコール」への大きな推進力となっています。

数字で見る中国ワコール

中国事業の歴史

  • 1980s 中国事業の始動
    1986
    本格的な中国進出。合弁会社北京ワコール設立、出資比率44%
    1987
    商業施設が殆ど未整備で、直営店舗を除き苦戦
  • 1990s 製販の体制整備
    1991
    北京ワコールにおいて、日本向け委託加工貿易開始
    1995
    広東ワコール設立(日本市場向け生産工場)
    1997
    中国紡織大学服装学院と共同で体格・体型調査(1998年にも実施)
    販売エリアを広州、成都、大連に拡大
    1998
    商品企画部門を上海へ一元化
    1999
    上海、広州、成都に華東/華南/南西部地区での販売支店を設置
  • 2000s 体制強化による再始動
    2000
    合弁契約を解消し、100%子会社へ
    2002
    ワコール中国人間科学研究所を設立
    2003
    ワコール(中国)の誕生(名称変更)/大連ワコール設立
    ピンクリボン活動開始
    2009
    中高級品ブランド「サルート」の販売開始、拡大路線へ
  • 2010s 事業規模拡大と利益追求
    2010
    リマンマ事業の開始
    2012
    中間層に向けた新ブランド「ラ・ロッサベル」を展開

現地責任者の視点

存在感を際立たせる商品とサービスの徹底追求 ワコール(中国)時装有限公司 董事 副総経理 中島 一成

日本の約26倍の国土、10倍以上の人口。この圧倒的なスケールを思えば、この国の多様性は想像に難くありません。中国ワコールの展開は、「日本での成功ノウハウを持ち込んでも通用しない」という考えが根幹となっています。まず違うのは体型です。日本人女性の体型が平胴であるのに対し、中国人女性は丸胴。日本の商品をそのまま持ち込んでも、中国人女性の支持を得られるはずがありません。また北と南での体型差が著しいため、地域を考慮した商品展開も不可欠です。そのうえで、季節性、トレンド性を加味しながら、さまざまなニーズに応える商品企画に注力し、中国人女性の体型に合った商品の提供によって多くの顧客を獲得しています。
各省が一つの国家といえる程の規模と独自の文化を持ち、感性や価値観も異なることから、求められるサービスも自ずと違ってきます。私たちは、中国のお客さまに満足していただける接客の重要性を認識し、中国独自のサービスを実践することで着実な成果を上げています。
ニーズの多様化が加速する市場へ対応するために推進しているのが、業務全般の迅速化です。機動的な体制を構築し、市場に対しての反応速度を上げる、お客さまの声に対して速やかに答えを出すなどのアプローチで、より効果的かつ効率的な事業活動を展開しています。

お客さまの期待と向き合うビューティーアドバイザーの教育体系

お客さまの期待と向き合うビューティーアドバイザーの教育体系

WacoalVoice現地の原動力、現場の声

お客さまに選ばれる商品。お客さまとの絆を深めるプロモーション、お客さまに満足と感動を提供する接客サービス。それらを好循環させるのは、女性の「美しくなりたい気持ち」に応えたいという想いのもとに奮闘する現場の力。めまぐるしく変化する市場と向き合い、中国ワコールの日々の成長を支えるローカルスタッフの声をご紹介します。

ブランド統括部ブランド統括責任者 宫 尖

一枚岩の体制で、ナンバーワンブランドを目指す

ブランド統括部は、商品企画、マーチャンダイジング、会員サービス管理を主な業務としており、司令塔となる部門です。
商品企画については、ファッション情報の分析やライバル社の売上分析を踏まえ、春夏、秋冬の年2回のコレクション発表に向け、中国人間科学研究所とプロジェクトチームを組みます。厳しい社内チェックのほか、試作段階での顧客対面調査で前シーズンの他社や自社のNo.1商品より評価が低いと商品化しないなど、常に期待を超える魅力的な商品を創出する方針です。
マーチャンダイジングについては、地域によってニーズが異なるためエリアを区切ってマーケティングを実施し、データに基づいて商品計画を進めます。加えて、支店単位で毎月の売上や利益、在庫を管理し、数字を踏まえての販促計画立案を主導します。
20万人を超える会員へのアクションも統括部のマターです。会員向けインセンティブ活動の企画、販売と連動したプロモーションなどにより会員サービスの充実を図るとともに、新規会員獲得に向けたPRにも注力しています。
このように一連の業務を統括する組織構造は中国ワコールの特徴であり、各部門からのフィードバックが速く、全業務のクオリティを保ちながらスピーディーに展開できるのが強みです。私たちは中国のNo.1ブランドではなく、ライバル社に追いつき追い越すためには新規顧客の獲得が必須。そのため、一枚岩の体制によって常にお客さまへ新しい提案をしなければなりません。

販売教育部 華東地区教育責任者 郑 若云

女性の美の貢献する仕事に誇りとやりがい

私はお客さまとワコールをつなぐ、ビューティーアドバイザーの教育を担当しています。年齢もキャリアもバラバラなローカルの社員たちを、美のプロフェッショナルへ育てるために体系的な教育プログラムを充実させ、入社年数や個々のレベルに合わせたトレーニングを実施しています。
豊富な知識、丁寧な接客で高い評価を得ているワコールのビューティーアドバイザーですが、その根本を支えているのは、「世の女性を美しくすること」への共感です。ビューティーアドバイザーも一人の女性、ワコールの商品を身に着けて美しくなることを体感できる。自身の感動をお客さまに伝えることは喜びであり、誇りとやりがいを持って従事できるのだと思います。
また、現場には相互信頼の文化が浸透しており、一度は同業他社へ転職した人間がすぐに戻ってきたいというケースも多く、彼女たちをウェルカムで受け入れるワコールの懐の深さが社員一人ひとりがいきいきとやりがいを持って活躍できる現場につながっています。

広告広報部 副部長 朱 茜

お客さまの距離を縮めてハートをつかむ

かつては、雑誌や駅など、さまざまな媒体で広告を実施していましたが、近年は、中国で爆発的な人気を誇るSNSアプリ「WeChat」をPRのメインツールとして活用しています。現在、公式アカウントのフォロワー数は約73,000人。イベント告知やクーポンの配布、季節に絡めたイベントや新商品情報を発信し、アクティブな活動を展開中です。
ビューティーアドバイザーと1対1でダイレクトにコミュニケーションがとれることもSNSによるPRの魅力。お客さまとの距離が縮まることで信頼関係を築きやすく、タイムリーな情報発信と相まって、来店しやすい環境づくりに寄与しています。マス広告と比べてローコストで効率がよく、閲覧数などのデータを蓄積できるメリットもあります。
ワコールでは他社に先駆けて「WeChat」を導入しましたが、ライバル社が続々と参入し、競争が激化しています。今後は、中国人女性たちのハートを捉えるワコールならではの魅力的な仕掛けづくりに取り組み、差別化を図ります。

中国の女性たちが心から満足するインナーウェアを提供するには、中国人女性の体型を根本から知る必要がある。そんな想いを出発点に2002年、上海に設立されたのが中国人間科学研究所です。
設立当初は、約50年以上の歴史と実績を持つ日本の人間科学研究所のノウハウを参考にしていましたが、市場動向を鑑みながら、より中国に合ったフォーマットへとアップデート。研究活動のみならず、商品開発、マーケティング機能も兼ねたマルチな機関として、中国ワコールを牽引しています。
1997年から設立に先駆けて地元の大学と共同で体型計測をスタートさせ、現在までに蓄積されたデータは5,000余り。これを基にした中国オリジナル商品を開発し、数々のヒット商品を生み続けています。

人間科学研究 開発センター 部長 徐 朝晖

人間科学研究の貢献
科学の目でマーケットに、ニーズに、近づく

人間科学研究所は、女性のからだを科学の目で分析し、中国市場にマッチした商品づくりに役立てる機関です。日本の人間科学研究所との大きな違いは、商品開発部門と一体化したセクションであり、新機能や原材料の開発も含め、商品開発の核となる部分を担っている点です。このユニークな体制がお客さまのニーズにいち早く応えるスピーディーな商品化を可能にしており、近年の主力商品は当研究所主導で開発されたものが大半を占めています。
そのほか、インターネット上でのお客さまの購買行動研究を進め、分析結果をMDへ提供したり、豊富なデータと検証に基づいた接客に生かせる知識を販売部門、教育部門へ伝授したり、他部門との連携も活発に行っています。
今後は、体型についての研究をより深化させるとともに、超ラージサイズ展開の立ち上げなど、新たなチャレンジをしていきます。魅力的な商品づくりを通して、中国人女性の美に対する一層の貢献を目指します。

中国製品の特長

Products from Wacoal China 中国商品の特徴
  1. 丸胸が多い中国人女性のサイドラインをスッキリと整えられるよう、脇幅は最低9cm(日本:6~7cm)とやや広め。贅肉のはみ出しや脇の段差に敏感な中国人女性たちのニーズに応えています。
  2. 地域によって差はあるものの、メタリックなカラーリング、大胆な花柄など、派手な色柄が好まれる傾向。中でも朱赤は「幸せを呼ぶ色」として人気があります。
  3. 幅広の脇に合わせて、ストラップも13mm(日本:10mm)が標準とやや太め。肩にくいこみにくく、安定感のある着け心地でバストをしっかりキープできます。
  4. 胸と一体になるような円形のカップ。バストを美しく包み込み、中国人女性たちが好む、ナチュラルでふんわり丸みのある女性らしい胸元を演出します。

中国ワコールでは『ワコール』『サルート』『ラ・ロッサベル』の3ブランドを展開しています。中国では、アウターに響かない自然なバストメイクが好まれるため、モールドブラジャーの需要が高く、細部にわたって日本と違ったニーズがあります。デザイン、品質、機能性、着用感、すべての面において中国人女性たちが満足できる商品づくりには、中国人間科学研究所の豊富な計測データ、研究成果が生かされています。

2016年3月期は売上高・営業利益ともに過去最高

新中期経営計画(2017~2019年3月期)

欧米に近い営業利益率の実現を目指す

中国ワコール売上高・営業利益の推移

成長戦略重点項目

  • 高級品における圧倒的商品力の発揮
  • ラ・ロッサベルの収益性改善
  • 他社ECの活用、プロモーション開発