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トップメッセージ

経済・環境・社会、
すべてにおいて持続可能な未来のために。
社会から存在を期待される企業であるために。

代表取締役社長 塚本能交

ワコールのCSRを支える「相互信頼」という思想

創業者は「生かされている人生を、世のため人のために何かを尽くそう」と考え、「女性が美しくしていられる社会こそ平和な社会」という信念に基づき会社を設立しました。ワコールは、戦後間もない1946年の創業以来、つねに女性の「美」に寄り添って成長してきました。ワコールの歴史は、戦後の女性の地位を向上させる歩みとともにあったといえるでしょう。
創業から60年以上の歳月が流れました。いかに時代が変わっても、私たちには変わらない「原点」があります。それが「相互信頼」の経営です。社会全体と信頼関係を築きたい。この「社会との相互信頼」を大切にする心が私たちのCSRの根底にあります。その意識が従業員の責任ある行動、社会的なふるまいとなって、ワコールの企業としての社会性をかたちづくっていると考えます。
ワコールグループは、「世の女性に美しくなって貰う事によって広く社会に寄与する」という目標のもと、当社ならではの企業価値の創造により、「世界のワコール」を目指しています。私は、「世の女性を美しくする」という事業の目的、加えて社会の中でのワコールの存在価値を全世界のグループ社員と改めて共有することで、「世界のワコール」の実現に向けた取り組みを加速していく決意です。

ワコールグループが目指すCSR活動は、すべてのビジネスプロセスにおいて、正々堂々と事業活動を展開し、お客さまが求める商品を提供することです。これらを通じて、役員及び従業員一人ひとりがお客さまをはじめとする社会との信頼関係の構築を目指します。具体的には、ガバナンス・コンプライアンスの向上、人権の尊重、人材の活用と育成・多様化の尊重、環境保全への取り組み、公正な事業慣行の実行、製品・サービスの安全・安心、ブレストケア活動などの社会貢献活動といった7つの項目に、継続的に取り組んでいきます。

グループを通じて経営理念を伝承

ワコールには「世の女性に美しくなって貰う事によって広く社会に寄与する」という目標があります。私たちのすべての事業活動の根底には、常にこの目標に対する情熱があるからこそ、社会や女性、お客さまとの信頼関係が築け、今日に至る発展を遂げることができたのだと思っています。今以上にグループがグローバルに拡大していく中で、こうした私たちの原点となる経営理念を改めて見つめ直すことの重要性も感じています。
ワコールの目標、社是、経営の基本方針は、どのように環境が変化しても不変であり、私たち一人ひとりの心に存在しながら、日々実践していくことが成長の近道だと信じています。ワコールグループ全体に経営理念を一層浸透させるためにも、今後再確認と実践の機会を設けて、実行していきたいと考えています。
当然、時代の変化に対応するために、変えるべきことは積極的に変えていきます。一方、ワコールグループのアイデンティティともいうべき経営理念など、残すべきことは着実に伝承し、従業員一人ひとりが主役となって「世界のワコール」を目指していく自覚を持って欲しいと考えています。これにより、全世界の従業員が創業以来の精神を受け継ぎ、共有することでグループ全体がつながり、私たちの強みが最大化されるはずです。
今後もワコールグループは、「女性とともにある」企業として独自の強みを維持・発展させながら、ワコール独自の価値を創造し続けることで、持続的成長を果たしていきたいと考えています。

創業の精神が支えるワコールの存在価値

私はワコールグループの全社員に、創業の精神や経営理念を再浸透させる努力を払っています。今やワコールの事業拠点は、世界各国に広がっていますが、これらが相互に連携し、シナジーを発揮していくには、全社員で共有する価値観が不可欠になります。その意味で、ワコールの根幹にある経営理念を理解し合うことが、グループの結束力や競争力を高める基盤になると考えるからです。時代の変化に対応するために、変えるべきことは積極的に変えていきますが、経営理念は、どのような環境変化があろうとも守り続け、伝承し続けていくものです。改めてこの精神を再認識し、グループ全体へと浸透させていくことは、私の使命だと認識しています。
ワコールは長く「世の女性に美しくなって貰う事によって広く社会に寄与する」というミッションを掲げてきました。私たちのすべての事業活動の根底には、常にこのミッションに対する情熱があり、その実現に向けてお客さまや、お取引先、一般社会との、また従業員相互の信頼関係を築くための地道な努力を積み重ねてきました。私たちには世の女性たちが自信を持ち、胸を張って活躍できることに貢献してきたという自負があります。逆に言えば、女性自身に美しさへの欲求が無くなり、社会に出て活躍しようという気持ちがなければ、我々のビジネスは存立しないのです。「女性と共にある」ということは、今やワコールの存在理由そのものとなっています。

品質が支えるワコールのブランド価値

ものづくりの会社として、品質を追求し続けてきたのがワコールです。経営理念と同様、ワコールのアイデンティティそのものといえます。今日、ワコールに対するお客さまからの信頼は、その品質の高さによって支えられています。私たちは60年以上にわたってインナーウェアづくりに真摯に取り組み続けています。この間、経験を積んだ熟練技術を持つ従業員が多数育ち、こうした人材が次代の人材にその技術を伝承することで、ワコールの品質が守り継がれています。さらに現在では、継承すべき技術を目に見える形でデータ化してノウハウの蓄積を進めています。
一方、品質のアピールは、作り手の押し付けにならないことも大切だと思っています。いくら良い製品でも、過剰品質で結果的にコストに跳ね返るようでは、お客さまのためにならないからです。製品の品質や機能に対するニーズや要求レベルは、国や地域によって異なります。価格やコストとのバランスも考えながら、それぞれの国や地域に実情に応じた最適品質の製品を提供することがワコールの基本方針です。ワコールというブランドがこれからも世界中の女性から支持されるよう、品質第一のものづくりに注力します。

揺るぎないワコールの競争優位

ワコールグループを取り巻く競争環境は、今後も厳しさを増していくことが予想されます。例えば国内では、当社がすでにプレゼンスを確立している製品セグメントや価格ゾーンに、戦いを仕掛けてくる企業が出てくる可能性もあるでしょう。しかし、ワコールが長年にわたって築き上げてきた商品力やブランド力があれば決して負けることはないと、私は強い自信を持っています。顧客から真に愛され、信頼される製品は、一朝一夕には作れないからです。
「人間科学研究」に関するデータの蓄積はその好例です。ワコールは50年近くにわたって40,000人以上の女性の体型データを収集・分析し、その成果を商品開発から、マーケティング、生産、販売といったすべてのビジネスプロセスに活用しています。ですからワコールの製品には、私たちだけにしか創り得ない価値が詰まっています。言葉では表現できない着け心地、フィット感など、感覚に訴える品質にこそワコールの競争優位性が隠されているのです。
ワコールの強みは、まさにこうした弛まぬ努力をあらゆるビジネスプロセスの中で、愚直に行っていることだと思います。現状に甘んじることなく、より良いもの、より快適なものをこれからもお客さまに提供していくことで、当社は「世界のワコール」として着実な成長を実現していけるものと確信しています。だからこそ、今後どのような環境変化があっても、最後に生き残るインナーウェアメーカーはワコールであると断言できるのです。
今後もワコールグループは、「相互信頼」の精神を基調に独自の強みを維持・発展させながら、価値を創造し続けることで、持続的成長を果たしてまいります。

ワコールが築き上げてきた「信頼資産」という強み

ワコールの経営の基本方針の一つに、「愛される商品を作ります」という言葉があります。しかしお客さまから真に愛される商品は、一朝一夕に作ることはできません。私たちの商品には、これまで築き上げてきた、さまざまな「資産」から生み出される価値が詰まっています。かけがえのない強みの一つである「信頼資産」は、外からは見えにくいものですが、長い時間をかけて培われてきたものです。そして、その「信頼資産*」の根底にあるのは、お客さまやお取引先、従業員、そして社会との関係性における「相互信頼」という人と人とのつながりです。
「相互信頼」という言葉は、当社の社是に組み込まれています。これは創業から15年たった頃の労使交渉において、創業者である塚本幸一が組合との関係を「対立」から「協調」に変えるため、あらゆる要求を100%受け入れると宣言した出来事に由来しています。時を経て、この「相互信頼」の精神は、事業活動のすべてに組込まれるようになり、あらゆるステークホルダーとの「信頼資産」を築き上げる力になりました。
私たちは創業以来、多くの時間をかけて商品の品質や機能性を高め、女性美の創造に貢献できる下着を作り続けてきました。諸先輩方の努力があって、今では世界中のお客さまやお取引先から信頼感あるブランドとして評価いただけるようになりました。当社はこれからも、ワコールというブランドに対する信頼や期待を裏切ることがないよう、「愛される商品を作り」「時代の要求する新製品を開発」し続けていくことで、「信頼資産」の増大を目指してまいります。

*私たちは、雇用や取引といった関係に依存せず、組織内に定着している「組織資産」と対比して、「人的資産」「顧客(関係)資産」のように会社との信頼関係によって増減する資産を「信頼資産」と呼びます。

「自律革新型人材」の育成と共通価値の浸透

私たちの「信頼資産」の中で、重要な位置にあるのが「自律革新型人材」です。それ故、そうした従業員の育成は、当社が企業価値を高める上で極めて重要な課題です。事業拠点が世界各地へと広がり、異なる風土や文化のもとで活躍する従業員が増える中、人材を育成する上で大切なことは、ワコールという会社が持つ価値観を共有することだと考えています。そのため当社では、創業の精神や経営理念をはじめ、「相互信頼」の考え方を一人ひとりの従業員がきちんと理解し、社内に浸透するよう努めています。
時代の変化に対応するために、変えるべきことは積極的に変えていきますが、経営理念は、どのような環境変化があろうとも守り、伝承されなくてはなりません。しかもそれは世代を問わず、グループ社員全員が共有してこそ意味があります。次世代を担う中堅社員が自ら旗手となり浸透させたいという声も上がり、少しずつですが着実に浸透意識が広がっています。
ただし、常に意識すべきは「相互信頼」が「相互依存」になってはならないということです。「相互信頼」の意味は、相手に信頼を求めるのではなく、相手から信頼を得ることだということを、私はこれからも言い続けていく考えです。

「世界のワコール」に向けて

私が今後果たすべき役割は次世代を担える優秀な「自律革新型人材」を育成・発掘し、同時に活躍の場を与えることだと考えています。加えて、女性がもっと活躍できる仕組みづくりも必要だと思っています。当社はビジネスの特性上、女性従業員が多数を占めていますが、女性管理職の数はまだまだ少ないのが実情です。そのため現在は、ダイバーシティ・キャリア支援室を設置し、意欲や能力はあるがリーダー職へのキャリアアップに躊躇している女性を支援する環境づくりを進めています。もちろん人材の登用に当たっては、男女の区別なく、真に能力や意欲の高い者が優先されますが、レディスインナー事業においては、女性ならではの視点や考え方が大いに役立つと考えています。
グループを取り巻く環境は、今後も厳しさを増していくことが予想されます。しかし、築き上げてきた商品力やブランド力はどこにも負けないと私は強い自信を持っています。これからも「相互信頼」の精神を次世代に受け継ぎながら、私たちにしか創り得ない価値をお客さまに提供し続けることで持続的成長を果たし、「世界のワコール」としての地位をより強固なものにしていきます。
株主・投資家の皆さまには、今後とも一層のご支援とご理解を賜りますようお願い申し上げます。